米7月小売売上高、前月比横ばい―自動車とガソリンが減少

経済

2022/8/18 9:44

<チェックポイント>

●自動車・ガソリン以外の消費は堅調

●オンライン販売や電子機器・家電は増加

●コア小売売上高は前月比0.8%増―7-9月期GDP押し上げ

 米商務省が17日に発表した7月の小売売上高(季節・営業日調整後)は前月比横ばいの6828億ドルと、前月の0.8%増(改定前1.0%増)から伸びが鈍化し、市場予想の0.1%増を下回った。

 全体の伸びが鈍化したのは、月ごとに変動が大きいガソリンスタンドが前月比1.8%減、自動車・部品が同1.6%減と減少したため。電子機器・家電とアパレルも減少に転じ、スーパーなどの量販店を含む一般小売販売が減少幅を広げたが、市場ではそれ以外の業種は堅調を維持しており、小売売上高で見た個人消費は依然、強靭性があると見ている。

 前年比では10.3%増と、前月の8.5%増を上回った。賃金上昇や高水準の貯蓄に支えられ、堅調を維持している。インフレ加速で消費支出額が膨らんだこともあるが、今回、急減した自動車を除くと、12.3%増と高い伸びとなる。

 業種別の前月比は、オンライン小売が2.7%増と、最も高い伸びとなった。次いで、どのカテゴリーにも入らない「その他小売り」が1.5%増、電子機器・家電は0.4%増、ヘルス(薬局・美容)は0.4%増、家具・生活用品は0.2%増、グローサリーストア(食品雑貨店)を含む食品・飲料水販売は0.2%増、外食(レストラン・バー)は0.1%増、スポーツ用品・趣味・楽曲・書籍は0.1%増となった。

 対照的に、百貨店やスーパーなどの量販店を含む一般小売販売は0.7%減と、最も低い伸びとなった。次いで、アパレルの0.6%減となっている。

 ガソリンスタンドと自動車・同部品、建築資材や飲食レストランを除いた、コア小売売上高は前月比0.8%増となり、10月27日発表予定の7-9月期GDP(国内総生産)の約7割を占める個人消費を押し上げる見通し。コア小売売上高はGDPを構成する個人消費支出の財支出に組み込まれる重要な指標。

 このほか、自動車・同部品だけを除いた小売売上高は同0.4%増(同0.9%増)、ガソリンスタンドを除いた小売売上高は同0.2%増(前月は0.6%増)、自動車・同部品とガソリンを除いた小売売上高は同0.7%増(同0.7%増)となっている。

提供:モーニングスター社

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