<新興国eye>前週のブラジル株、欧州株安や金融引き締め観測を嫌気し5週ぶり反落=BRICs市況

新興国

2022/8/22 10:12

 前週(15-19日)のブラジル株式市場は19日のボベスパ指数が前日比2.04%安の11万1496.21、週間ベースでは12日終値比1.12%安と5週ぶりに反落した。

 週明け15日から18日まで5営業日続伸した。

 15日は、ブラジルの重要な貿易相手国である中国の経済指標の悪化で景気悪化懸念が強まったが、中国人民銀行(中銀)が景気支援のため、主要政策金利を予想に反して引き下げたことや、ブラジル国内の景気指標であるIBC-Br経済活動指数が強い結果となり、買いが優勢となった。16日は、引き続き、4-6月期のIBC-Br経済活動指数の上昇が好感されたが、米利上げ継続懸念や、国内では10月2日のブラジル大統領総選に向けた立候補者が締め切られ、現職のボルソナロ大統領と、11年まで大統領を務めたルラ元大統領の一騎打ちに市場の関心が移ったため、上値が重くなった。

 17日は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表され、米利上げ継続観測が強まったが、次回9月会合では利上げはこれまでより小幅となる可能性があるとの見方が広がり、買いが優勢となった。また、国内では8月IGP-10インフレ指数が低下したことも好感された。18日は、ブラジル中銀の利上げサイクル終了が近いとの憶測で、買いが広がった。原油価格の上昇で国営石油大手ペトロブラスが買われ、上げを主導した。

 週末19日は反落。欧州でのインフレ急加速を受け、欧州市場が軟調となったことや、ブラジル中銀の幹部がインフレ抑制のため、利上げ継続の必要性を指摘したことが嫌気され、売りが優勢となった。

 今週(22-26日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、中銀の利上げ継続、国内の政治、特に大統領選挙の動向が注目される。主な経済指標の発表予定は24日の8月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)や25日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)8月消費者信頼感指数、26日の7月PPI(生産者物価指数)と4月経常収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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