パウエルFRB議長、ジャクソンホール会議で23年末まで利上げ継続を示唆
2022/8/29 8:33
<チェックポイント>
●利上げはインフレ率が2%上昇に抑えられるまで
●インフレ抑制には時間を要するとの認識を示す
●「9月の利上げ幅は景気指標次第」―0.75ポイントに固執せず
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は26日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開かれた毎年恒例の国際経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)で講演し、今後の金融政策の目標について、「現時点で、インフレ率を物価目標の2%上昇まで引き下げることに重点を置く」とし、金融引き締めを継続する考えを示した。
市場では、インフレ率が6月(前年比9.1%上昇)に頭打ちとなったことから、今後は利上げペースを減速させ、インフレ率が3%程度の上昇に抑えられた段階で利下げに転換するとの見方が広がっていた。時期的には23年に金融緩和に舵を切るともみられていたが、今回のパウエル議長の発言は明確に市場の憶測を否定した恰好となった。
パウエル議長は、「7月のインフレ率の減速(前年比8.5%上昇)は歓迎するが、インフレの低下を確信するにはほど遠い」との見方を示しインフレ抑制には時間がかかるとの認識を示した。「物価が安定しなければ経済は回らない。特に、強い労働市場の状態が持続することはない」とし、インフレ抑制への強い決意を示した。
また、物価の安定を回復するため、しばらくは制限的な政策スタンスを維持する必要があるとし、23年末まで利上げが継続する可能性を示唆した。
一方、インフレ抑制のための利上げが景気に悪影響を与えることも認めた。今後は労働需給が軟化する可能性があるとして、「金利上昇や成長の鈍化、労働市場の軟化は家計や企業にいくらかの苦痛を与える」としたが、米経済の現状認識については、「米経済は引き続き力強い勢いを示している」としている。
また、9月21日会合での利上げ幅については、7月と同率の0.75ポイントの利上げの可能性を否定しなかったが、「金融政策が一段と引き締められるにつれて、ある時点で、利上げペースを遅くすることが適切になる可能性がある」としており、市場では0.50ポイントの利上げも選択肢に含まれるとみている。
<関連銘柄>
NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、
SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、
NYダウベア<2041.T>
提供:モーニングスター社
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