RBA、4会合連続で0.50ポイント利上げ―市場予想通り

経済

2022/9/6 16:09

<チェックポイント>

●5会合連続の利上げ―0.50ポイントの利上げは4会合連続

●ロウ総裁は追加利上げ示唆―年末までインフレ率上昇を懸念

●市場は次回会合で0.25ポイントの利上げを予想

 豪準備銀行(RBA、中銀)は6日の理事会で、政策金利であるオフィシャルキャッシュレート(OCR、銀行間取引で使われる翌日物貸出金利)の誘導目標を0.50ポイント引き上げ、2.35%とすることを決めた。利上げ幅は市場予想通りだった。

 RBAは5月会合で10年11月以来11年半ぶりに0.25ポイントの利上げを実施しており、利上げは5会合連続。このうち、0.50ポイントの利上げは6月会合から4会合連続で、RBAの金融政策史上初めて。

 RBAは資金吸収オペとして、市中銀行のRBAへの預入残高である為替決済(ES)バランス(銀行間決済口座)に適用される公定レートも同率引き上げ、2.25%とした。

 ロウ総裁は、「年末に向けてインフレ率がピークに達する」と、短期的なインフレ加速懸念があることを強調。追加利上げの必要性を主張。今後の金融政策決定について、ロウ総裁は追加利上げの可能性も示唆した。

 オーストラリアのインフレ率は4-6月期に前年比6.1%上昇と、物価目標である2-3%上昇の上限の2倍となっているが、年後半には8%弱の上昇率でピークに達すると見込まれるが、同総裁は、「23年に4%超上昇、24年には約3%上昇になる」とし、中期的には減速するとしている。

 ロウ総裁は、経済を安定させながらインフレ率を2-3%上昇の範囲に戻すとしているが、「(インフレと景気の)バランスを達成する道は狭い」とし、短期的には景気よりもインフレ抑制を最優先させる考えを示した。

 また、国内景気の見通しについては、「雇用市場はひっ迫し、失業率は7月に約50年ぶりの低水準となる3.4%となった。求人数と求人広告はいずれも高水準にあり、今後数カ月にわたって失業率がさらに低下する」とし、短期的には利上げ継続による景気への影響は見られないとしている。ただ、経済成長が鈍化するにつれて、「失業率が上昇に転じる」と予想し、中期的には景気懸念を示した。

 次回会合は10月4日に開かれる予定だが、市場は利上げ幅が0.25ポイントに収まるとみている。

提供:モーニングスター社

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