【深センIPO】アウトドア用品・家具メーカーの浙江正特が7日に公募開始、2750万株発行予定

サーチナ

中国株

2022/9/8 9:14

 深セン証券取引所のメインボードへの上場を目指している、浙江正特(001238/深セン)が9月7日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。2750万株を発行予定で、公募価格は6日に発表する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は1996年に臨海市正泰工芸品有限公司として設立した民営企業で、2015年に株式会社化、現社名となった。アウトドア用品、家具の研究開発、生産、販売を主業務としており、製品にはテントやパラソルなどの遮光用品、ペット小屋、ブランコ式ソファー、ハンモックなどがある。主に家庭の庭、バルコニー、レストラン、ビーチ、公園、ホテルなどで利用されており、ウォルマートなどの大型小売チェーン店での販売や、アマゾンなどのオンラインチャネルを通じて、中国国内のほか、北米、欧州地域向けに販売を行っている。

 屋外レジャー用品市場は北米、欧州などの先進国・地域で成熟しており、欧米の市場規模が世界の50%を占めている。屋外レジャー用品はもともと買い替えサイクルが1〜3年と比較的短いが、昨今では個性化、ファッション化のニーズの高まりに合わせてサイクルがさらに短縮しており、安定した需要が見込まれている。中国国内市場はまだ発展の初期段階にあるものの、人びとの生活レベル向上、居住環境の改善に伴って急成長する潜在性を秘めている。中国国内市場規模は2015年の16億4000万元から19年には28億1000万元に増加、24年には55億4000万元に増えると予測されており、世界市場に占める割合も19年の10.20%から24年には12.02%まで上昇すると予測されている。

 一方で中国は今や世界一の屋外レジャー用品生産国、輸出国となっており、中国税関のデータによれば21年に中国から世界に輸出された主要屋外レジャー用品の総額は308億6800万米ドルで、そのうち約30%が米国に輸出されている。また、ドイツ向けが5.46%、オランダ向けが4.05%、フランス向けが3.52%となっており、欧州に向けても多くの製品が輸出されていることがうかがえる。

 同社は製品開発力の高さ、生産拠点の拡大、生産設備のデジタル化により大規模生産を可能としていること、欧米の先進国・地域にオンライン、オフライン両方の販売チャネルを持っていること、十分な品質マネジメントシステムを構築しており、製品の品質について国内外で定評があることなどを強みとする、一方で、さらなる成長に向けた資金力、資金調達力が不足していること、国外市場に比べて中国国内市場の開拓が遅れていることなどがボトルネックとなっている。

 また、市場競争の加速、売上の95%前後にのぼる国外市場への大きな依存に伴う、海外情勢の変化、貿易摩擦のエスカレート、為替レート変動のリスク、鋼材・アルミ材といった原材料価格の上昇などが経営上のリスクとして存在する。

 2021年12月期の売上高は12億3996万元(前期比36.28%増)、純利益は1億757万元(同32.28%増)。22年1〜6月期の売上高は8億8209万元(前年同期比31.04%増)、純利益は6233万元(同9.72%増)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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