<新興国eye>前週のインド株、米大幅利上げ継続や世界景気後退懸念を受け続落=BRICs市況

新興国

2022/9/26 9:29

 前週(19-23日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の23日終値は前日比1.73%安の5万8098.92、週間ベースでは16日終値比1.26%安となり、続落した。

 週明け19日は指数が反発。翌20日も続伸した。21日は反落。22日も続落した。

 週前半は、海外株安となったものの、国内では前週の相場急落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。22年度下期のインフレ率が最近の原油安などコモディティ(国際相場商品)の下落を受け、減速するとの観測と政府の景気対策期待感で買いが優勢となった。ただ、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合を控え、積極的な買いは抑えられた。その後は、米国とアジアの株式市場が堅調となり、インド市場でも買いが広がった。外国人投資家の買い越しも支援材料となった。

 週後半は、アジア市場が下落に転じたことを受け、インド市場でも利食い売りが優勢となった。また、ウクライナ情勢をめぐり、ロシアのプーチン大統領が30万人規模の予備役動員令に署名したことを受け、地政学的リスクが強まり、インド市場でもリスク投資を回避する動きが強まった。その後は、FRBが0.75ポイントの大幅利上げ継続を決め、年末まで大幅利上げが続くとの見通しが嫌気され、銀行株を中心に売りが広がった。また、F&Q(先物・オプション)取引のSQ(特別清算指数)算出も売りを強めた。

 週末23日は急落(3日続落)。FRBに続いて、イングランド銀行(英中銀)やトルコ、インドネシア、スイスなど各国中銀が一斉に追加利上げを実施したことを受け、世界景気後退懸念が強まり、売りが優勢となった。特に、米利上げを受け、通貨ルピーが急落したことを受け、外国人投資家のインド投資意欲が削がれるとの懸念で売りが広がった。

 今週(26-30日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュース、インド準備銀行(中銀)の金融政策決定会合(30日)も注目される。主な経済指標の発表予定は30日の8月財政収支と8月インフラ部門生産高など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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