<新興国eye>前週の上海総合指数、米株急騰と人民銀総裁の経済支援発言を受け反発=BRICs市況

新興国

2022/10/17 9:19

 前週(10-14日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数が週間ベースで反発。14日は3071.99(9月30日終値比1.57%高)だった。前々週(3-7日)は「国慶節」の祝日で全日休場となり、指数の休場前の9月30日終値は3024.39(9月23日終値比2.07%安)。週間ベースでは3週続落している。

 週明け10日は指数が4営業日続落。翌11日は反発した。12日も続伸。13日は反落した。

 週前半は、国慶節の大型連休中に国内で新型コロナの新規感染者数が急増したことや、9月中国サービス業PMI(購買担当者景気指数)が49.3と、市場予想(54.4)や前月(55.0)を下回り、好不況の分かれ目となる50を4カ月ぶりに割り込んだことが嫌気され、売りが優勢となった。また、バイデン米政権が前週末、半導体製造装置の対中輸出規制の適用対象を拡大すると発表したことも売り材料となった。同措置により、中国は米国の半導体製造装置を使って全世界で製造された特定の半導体チップを入手できなくなくなる。その後は、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが強まった。ただ、上値は重い展開。中国リチウムイオン充電池大手CATL(寧徳時代新能源科技)が四半期決算で大幅増益となり、急騰し、上げを主導した。

 週後半は、IMF(国際通貨基金)などが中国の経済成長率の見通しを下方修正する中、政府は景気支援の動きを強めるとの思惑で買いが優勢となった。また、9月の中国新規銀行融資が8月の1兆2500億元から約2倍に急増したこと受け、中国人民銀行(中銀)が景気支援措置を強化しているとの見方や、人民元安の進行が止まったことで買い安心感が広がった。その後は、中国の9月CPI(消費者物価指数)の発表を前に、積極的な買いが差し控えられ、リスク投資回避の動きが強まった。

 週末14日は反発。人民銀の易綱総裁が経済支援を強化すると発言したことが好感され、買いが優勢となった。また、前日、米9月CPI(消費者物価指数)が予想を上回る高い伸びとなったたことを受け、欧米市場で、特に、米株はいったん急落したものの、これまでの株価下落は行き過ぎだとして、急反発したことも支援材料となった。

 今週(17-21日)の株式市場は新型コロナ感染再拡大や台湾情勢を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は17日の9月貿易収支や18日の7-9月期GDP伸び率と9月鉱工業生産、9月小売売上高、1-9月都市部固定資産投資、19日の9月住宅価格指数など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:モーニングスター社

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