<新興国eye>前週のインド株、米株急騰及ばず、9月の国内インフレ急加速を受け反落=BRICs市況

新興国

2022/10/17 9:19

 前週(10-14日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の14日終値は前日比1.20%高の5万7919.97、週間ベースでは7日終値比0.47%安と、反落した。

 週明け10日は指数が下落。11日まで3営業日続落した。12日は反発。13日は反落した。

 週前半は、通貨ルピー安の進行によるインフレ加速懸念と、インド準備銀行(中銀)によるルピー買いの市場介入が嫌気され、売りが優勢となった。民間経済予測機関がインドの23年度成長率見通しを5.2%増と、22年度の7.0%増(予想)を下回ると予想したことも売りを強めた。その後は、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの高まりや、世界景気同時不況懸念で、売りが優勢となった。また、9月インフレ率が前年比7.3%上昇に加速するとの観測報道を受け、インド準備銀行による追加利上げ懸念が強まったことや、米国の大幅利上げ観測によるインド市場からの投資資金流出懸念も売りを強めた。

 週後半は、これまでの急激な相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。国営送電大手パワー・グリッドや自動車大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラ、HCLテクノロジーズなどが買われ、上げを主導。その後は、インドの9月インフレ率が発表され、予想を上回る前年比7.4%上昇と、前月の同7.0%上昇を大きく上回り、5月ぶりの高い伸びに加速したことが嫌気され、売りが優勢となった。F&Q(先物・オプション)取引のSQ(特別清算指数)算出も売りを強めた。

 週末14日は反発。前日発表された、米9月CPI(消費者物価指数)が予想を上回る高い伸びとなったたことを受け、欧米市場で、特に、米株はいったん急落したものの、これまでの株価下落は行き過ぎだとして、急反発したことが好感され、インド市場でも買いが優勢となった。ソフトウエア輸出大手インフォシスが好決算に加え、自社株買いを発表したことを受け、急騰し、上げを主導した。

 今週(17-21日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定はない。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ