<新興国eye>前週のロシアRTS指数、原油高や海外株高、金利据え置きを受け続伸=BRICs市況

新興国

2022/10/31 9:18

 前週(24-28日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の28日終値が前日比0.73%高の1113.75、前週比では21日終値比6.00%高と、続伸した。

 週明け24日は指数が上昇。翌25日まで4営業日続伸した。26日は反落。27日は反発した。

 週前半は、海外市場が堅調となり、ロシア市場でも買いが優勢となった。国営天然ガス大手ガスプロムと石油開発大手タトネフチが投資家に支払った配当金が投資資金として株式市場に流入するとの観測も支援材料となった。その後はガスプロムとタトネフチの配当金が思惑通り、市場に流入したことや、米株市場の上昇、さらには、ブレント原油先物が1バレル当たり93ドル超に上昇したことが好感され、買いが優勢となった。

 週後半は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。また、財務省と国防省が23-25年予算案にウクライナに対する特別軍事作戦関連の支出を盛り込んだことを受け、ウクライナ戦争の長期化懸念が強まり、売りが優勢となった。ただ、原油価格が96ドルに急伸したため、下値は限られた。その後は、原油高が好感されたことや、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクが緩和したことを受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが広がった。

 週末28日は続伸。手仕舞い売りが先行したが、引けにかけて買い戻しが優勢となった。中銀が金利を据え置いたことや、最新の中期経済予測を発表し、22年の経済成長率の見通しを従来予想の4-6%減から3-5%減に改善方向に修正したことが支援材料となった。

 今週(10月31日-11月3日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える1日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や2日の米EIA週間石油在庫統計、さらにはFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(2日)も注目される。主な経済発表の予定は1日のロシア製造業PMI(購買担当者景気指数)や2日の9月小売売上高と9月失業率、3日のロシア非製造業PMIなど。RTS指数は1050-1200の値動きが予想される。4日は「民族統一の日」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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