rakumo、SaaSの成長続く―1-9月はM&A費用こなし営業増益

株式

2022/11/14 8:30

 企業向けグループウエアサービスのrakumo<4060.T>が11日に発表した22年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結決算は、売上高が8.0億円(前年同期比13.4%増)、営業利益が1.6億円(同3.0%増)となった。主力のSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)が同16.5%の増収と2ケタの伸びを維持し、M&A(企業の合併・買収)に伴う一時費用の負担をカバーして営業増益を達成した。

 同社はスケジュール管理や電子稟議(りんぎ)などの業務支援ツールを企業に提供するほか、DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入支援を手掛ける。SaaSは米グーグルの業務用プラットフォーム「グーグルワークスペース」と、米セールスフォース・ドットコムのプラットフォーム上で展開。6月にはSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)型日報アプリを展開する手掛けるガンバ社を買収した。

 9月末の同社サービスのユニークユーザー(UU)数は約47万人(昨年9月末比2.1万人増)に積み上がった。クライアント数は2277社と継続的に増加している。第2四半期(4-6月)の増加数から、第3四半期(7-9月)は増加幅が上昇しており、同社の各種施策効果が出てきているもよう。また、解約率も1%未満と低水準で推移した。

 今期はモスフードサービス<8153.T>などの新規顧客を獲得したほか、大型のITイベントにもスポンサーとして参加し知名度向上につなげた。また、ガンバのクライアントにもrakumoのサービスを販売。このほか、信州大学(長野県松本市)などが設立した「信州DX推進コンソーシアム」に参画した。

 1-9月の営業利益率は20.3%(前年同期は22.3%)となり、販売部門での投資やガンバのM&A費用により一時的に低下、特殊要因を除く営業利益率は21.7%だった。通期の営業利益は2.5億円(前期比8.8%増)を計画する。UU、クライアント数ともに増加傾向が続いており、第4四半期(10-12月)においては、UU数が大きく増加する見込みだ。

 また、10月にはサーバーワークス<4434.T>子会社のG-gen(東京都新宿区)にグーグルワークスペース向けのrakumoのITツールの提供を開始した。G-genは、グーグルクラウドの導入支援を専門とし、実績や技術力が高く評価されている。G-genを通じたrakumo製品の採用も期待できそうだ。

提供:モーニングスター社

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