日経平均は28円安と小幅に3日続落、朝高後に利益確定売りで下げ転換―中国・香港株安も重し=21日前場

 21日前場の日経平均株価は前週末比28円68銭安の2万7871円09銭と小幅ながら3営業日続落。朝方は、前週末の欧米株高を支えに買いが先行し、寄り付き直後に2万8007円06銭(前週末比107円29銭高)まで値を上げた。ただ、心理的なフシ目となる2万8000円は維持できず、その後は利益確定売りに下げに転じ、前場終盤には2万7846円30銭(同53円47銭安)まで軟化した。中国・上海総合指数や香港ハンセン指数が値を下げ、重しとして意識された面もある。

 なかで、ファナック<6954.T>、ソフバンG<9984.T>など主力株の一角がさえず、指数を圧迫した。一方、半導体関連株は堅調で、米投資会社バークシャー・ハザウェイが子会社を通じて株式を買い増した大手商社株も高かった。なお、東証プライム銘柄の56.4%が上昇し、TOPIX(東証株価指数)の3日続伸(前週末比0.13ポイント高の1967.16ポイント)につながった。

 東証プライムの出来高は4億8908万株、売買代金は1兆3105億円。騰落銘柄数は値上がり1036銘柄、値下がり702銘柄、変わらず98銘柄。

 市場からは「日経平均2万8000円は『壁』のようで、売り物もそれなりに出てくる。中国でコロナが増え、中国株や香港株が下げているのも気になる。手掛かり材料が乏しいなか、ボラティリティー(価格変動性)が下がり、動きにくい状態だ」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、INPEX<1605.T>などの鉱業株が軟調。SOMPOH<8630.T>、MS&AD<8725.T>、かんぽ生命<7181.T>などの保険株も安い。任天堂<7974.T>、アシックス<7936.T>、ヤマハ<7951.T>などのその他製品株や、東海カーボン<5301.T>、板硝子<5202.T>などのガラス土石株もさえない。大王紙<3880.T>、北越コーポ<3865.T>などのパルプ紙株も値を下げ、ソフバンG<9984.T>、KDDI<9433.T>、コナミG<9766.T>などの情報通信株も売られた。

 半面、日本製鉄<5401.T>、中山鋼<5408.T>、東製鉄<5423.T>などの鉄鋼株や、住友鉱<5713.T>、三井金<5706.T>、大阪チタ<5726.T>などの非鉄金属株が堅調。三菱商<8058.T>、丸紅<8002.T>、住友商<8053.T>などの卸売株も高い。

 個別では、LIFULL<2120.T>、ミクニ<7247.T>、東海カーボン<5301.T>、メドピア<6095.T>などが値下がり率上位。半面、TDCソフト<4687.T>、CIJ<4826.T>、飯野海<9119.T>などが値上がり率上位。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、18業種が上昇した。

提供:モーニングスター社

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