【上海IPO】8日は寧波遠洋運輸など2社が上場、いずれも初値が公開価格を大きく上回る

サーチナ

中国株

2022/12/9 9:18

 上海証券取引所では12月8日、メインボードで寧波遠洋運輸(601022/上海)が、科創板で北京晶品特装科技(688084/上海)が新規上場した。いずれも初値が公開価格を大きく上回った。

 寧波遠洋運輸の初値は、公開価格8.22元を19.95%上回る9.86元だった。終値は値幅制限いっぱいとなる同44.04%高の11.84元だった。

 同社は1992年設立で、2021年に株式会社化した。総合海運・水運企業で、国際、沿海、長江航路の海運・水運事業、船舶代理事業、バラ積み貨物輸送代理事業を主業務としている。自社所有船舶は42隻、リース船舶42隻で、3000トンから4万トンまでの各種サイズの船舶を備える。運営路線は26、週平均の船便数は100あまりで、寧波市の舟山港を母港に長江沿線30港からなる国内ネットワークに加え、台湾、日本、韓国、東南アジアを結ぶ近海中継ネットワークを構成している。海事調査会社アルファライナーによれば、世界のコンテナ定期便企業トップ100ランキングで33位だ。

 21年12月期の売上高は38億1445万元(前期比25.78%増)、純利益は5億2099万元(同71.19%増)。22年1〜9月期の予測売上高は34億1613万〜37万6841万元(前年同期比23.61〜36.36%増)、純利益は5億3905万〜5億8107万元(同38.70〜49.51%増)。

 新規上場に伴い調達予定の19億9000万元(約391億円)は、約60%の12億元をコンテナ船購入プロジェクトに、約20%の4億元をバラ積み貨物船購入プロジェクトに、約14%の2億8000万元を1万TEUのコンテナ購入プロジェクトに用いる。

 北京晶品特装科技の初値は、公開価格60.98元を31.03%上回る79.90元だった。終値は同44.47%高の88.10元だった。

 同社は09年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。光電偵察設備および軍用ロボットの研究開発、生産、販売を主業務としており、主な製品はドローン光電ポッド、ハンディタイプ光電偵察設備、多機能暗視ゴーグル、爆発物処理(EOD)ロボット、携帯式偵察ロボットなど。軍用市場に加え、救急救援、工場の巡回検査、農作物の収穫、医療など幅広い民間分野での利用拡大を目指している。22年1〜6月期における売上比率は、光電偵察設備が83.85%、軍用ロボットが11.03%。

 21年12月期の売上高は4億2203万元(前期比48.31%増)、純利益は5993万元(同1.51%増)。22年1〜9月期の売上高は1億8012万元(前年同期比11.93%減)、純利益は1793万元(同6.92倍)。

 新規上場に伴い調達予定の6億3045万元(約124億円)は、約63%の4億元を江蘇省南通市の特殊ロボット生産拠点建設プロジェクトに、約21%の1億3045万元を研究開発センター改良プロジェクトに用いる。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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