<新興国eye>前週のロシアRTS指数、EUの対ロ追加制裁や原油安を受け5週続落=BRICs市況

新興国

2022/12/19 9:15

 前週(12-16日)のロシア株式市場は、RTS指数(ドル建て)の16日終値が前日比0.32%安の1038.63、前週比では9日終値比5.5%安と、5週続落した。

 週明け12日は指数が反落。翌13日は小反発した。14日は急反落、15日まで続落した。

 週前半は、世界景気後退による原油需要の減少懸念で原油安となったことに加え、軟調な海外市場が嫌気され、売りが強まった。その後はブレント原油先物が1バレル当たり80ドルに上昇したことを好感し、買いが優勢となったが、EU(欧州連合)の対ロ追加制裁をめぐる懸念で上値は重くなった。原油高は米国とカナダを結ぶキーストーン送油管網の原油輸送が停止したため、11月のOPEC(石油輸出国機構)全体の原油生産量が減少したことが背景。

 週後半は、海外株安やEUの対ロ追加制裁に関する報道に加え、通貨ルーブル安が嫌気され、売りが優勢となった。その後は、米政府が仏ソシエテ・ジェネラル銀行のロシア銀行子会社ロスバンクと、新興財閥のウラジミール・ポターニン氏がオーナーの大手投資会社インターロスへの制裁措置を決めたことや、中国の11月経済指標の悪化、ECB(欧州中央銀行)とBOE(英中銀)の同時利上げが嫌気され、売りが一段と広がった。

 週末16日は3日続落。主要中銀の利上げによる世界景気後退懸念が強まったことや、原油価格が79ドルに低下したことを受け、売りが優勢となった。また、EUが対ロ追加制裁を正式決定したことも売り材料となった。

 今週(19-23日)のロシア市場は、引き続き、ロシア・ウクライナ戦争や西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、原油・ガス相場、ルーブル相場、主要企業の配当政策などが焦点。このほか、原油価格に影響を与える20日の米API(石油協会)週間石油在庫統計や21日の米EIA週間石油在庫統計も注目される。主な経済発表の予定は21日の11月WPI(卸売物価指数)など。RTS指数は950-1050の値動きが予想される。

<関連銘柄>

 RTS連動<1324.T>、WTI原油<1671.T>、ガス<1689.T>、

 原油<1690.T>、野村原油<1699.T>

提供:モーニングスター社

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