【上海IPO】PMOLED大手の蘇州清越光電科技が19日に公募開始、9000万株発行予定

サーチナ

中国株

2022/12/20 9:14

 上海証券取引所の科創板への上場を目指す、蘇州清越光電科技(688496/上海)が12月19日、新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。9000万株を発行予定で、公募価格は9.16元。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 同社は2010年に昆山維信諾科技有限公司として設立した民営企業で、20年に株式会社化して現社名となった。中〜小型ディスプレイパネルの研究開発、生産、販売を主業務としている。現在PMOLED(パッシブマトリクスOLED)を主力製品として、電子ペーパーモジュールやシリコンOLED事業も手掛けている。製品は医療・健康、家具、小売業、コンシューマーエレクトロニクス、車載電子製品、工業制御製品、ウェアラブルデバイス、セキュリティ製品など幅広い分野で利用されており、サムスン、小米をはじめとする多くの著名企業を顧客に持つ。

 PMOLEDは従来の液晶パネルに比べて薄さ、画質の良さ、高コントラストなどの優れた特徴を持つ。同社は中国大陸で初めてPMOLEDディスプレイパネルの大規模生産ラインを持った企業であり、19、20年のPMOLED出荷量は世界トップとなっている。また、20年に量産技術を獲得した電子ペーパー分野は主に電子値札で売上を伸ばしており、今後はデジタル通貨やスマート交通などへの市場開拓が期待できる。

 21年12月期の売上高は6億9427万元(前期比39.36%増)、純利益は5329万元(同6.53%減)。22年1〜9月期の売上高は7億6071万元(前年同期比68.94%増)、純利益は2214万元(同19.16%減)。

 なお、深セン証券取引所では、11月28日に公募開始予定だったものの延期となった石家荘尚太科技(001301/深セン)が19日に改めて公募を開始する見込みだ。6494万株を発行予定で、公募価格は33.88元。

 同社は08年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。人工黒鉛を主とするリチウムイオン電池負極材料および人工ダイヤモンド原料石炭などの炭素製品の研究開発、生産、加工、販売を主業務としている。売上高の8割超を占めるリチウムイオン電池負極材料は寧徳時代をはじめとするリチウムイオン電池メーカーに広く利用されており、国外の顧客開拓も積極的に進めている。

 中国における負極材料市場シェア(販売量ベース)は19年が4.23%、20年が5.19%、21年が9.00%とシェアを高めつつあり、21年のシェアは業界第5位となっている。新たな顧客、マーケットの開拓を続け、さらなる市場シェアの向上を目指す。

 21年12月期の売上高は23億3607万元(前期比3.43倍)、純利益は5434万元(同3.56倍)。22年1〜9月期の売上高は35億3620万元(前年同期比2.49倍)、純利益は10億4645万元(同3.09倍)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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