「爆買い」、中国コロナ対策で復活?――ドラッグストアに特需の予感
インバウンド(訪日外国人観光客)の「爆買い」が、ドラッグストアに戻ってきたようだ。かつて日本でよく目にした、大量に商品を購入する中国人客の姿が、新型コロナウイルス対策を背景に再び見られるようになっている。
風邪薬を大量購入
中国では直近、政府がゼロコロナ政策を大きく転換し、厳しい行動制限を緩和した。その結果、市中感染が急拡大しているもよう。風邪薬やマスク、自宅療養時に使用するパルスオキシメーターなどに品薄感が生じているといい、同国内の薬局で商品が払底している様子もSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などで拡散している。
こうした中、日本である光景が目撃されるケースが増えている。
「一部店舗で風邪薬の大量購入の動きが報告されている」と話すのは、コスモス薬品(3349)のIR(投資家向け広報)担当者。購入した客の正確な動機は不明だが、同様の現象は都心部を中心にほかのドラッグストアでも起きている。水際対策の平常化とも時期が重なるだけに、中国人が来日時に薬やマスクを買い求める行動とも推測される。
中国現地では、大正製薬ホールディングス(4581)の総合感冒薬「パブロン」が人気化するなど、日本製品の信頼度は高い。JNTO(日本政府観光局)によれば、11月の訪日外客数(推計値)のうち中国人はまだ2.1万人(前年同月比97.2%減)にすぎないが、今後爆買いとともに本格的に回復する可能性があり、ドラッグストアには特需も見込まれる。
マツキヨココなどマーク
マツキヨココカラ&カンパニー(3088)は、東京・新宿の大型旗艦店をはじめ都心に積極出店している。コスモス薬は九州が地盤だが、過去にインバウンドで活気づいた大阪府や兵庫県にも強い。
最大手級のウエルシアホールディングス(3141)、東海地盤のスギホールディングス(7649)のほか、調剤薬局のアインホールディングス(9627)は首都圏で女性客をターゲットとした「アインズ&トルペ」を展開している。北海道地盤のサツドラホールディングス(3544)も、かつて中国人の爆買いに沸いた。
このほか、大衆薬では第一三共(4568)や東和薬品(4553)なども浮上する。マスクではユニ・チャーム(8113)や興研(7963)、川本産業(3604)を押さえておきたい。
(写真:123RF)
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