米11月新築住宅販売件数、前月比5.8%増の64万件―市場予想上回る

経済

2022/12/26 9:09

<チェックポイント>

●住宅ローン金利の落ち着きや値引き販売が追い風に

●住宅価格の中央値は3カ月ぶりに低下

●過去3カ月分は計7万1000件の下方改定

 米商務省が23日に発表した11月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は、年率換算で前月比5.8%増の64万件と、2カ月連続で増加。市場予想の平均値である60万件を上回った。前年比は15.3%減と、18カ月連続で前年水準を下回った。

 市場では、足元で住宅ローン金利が落ち着きを取り戻していることや、住宅販売業者が積極的な値引きを行ったことが増加の要因とみている。

 過去3カ月(8-10月)の販売件数は、10月が63万2000件から60万5000件、9月が58万8000件から55万9000件、8月が66万1000件から64万6000件へと、いずれも下方改定された。

 11月の販売件数の内訳は、着工前時点での販売件数(バックログ)が前月比47%増の17万6000件、建築中の住宅販売件数が同1.8%増の28万件となった。対照的に、完成住宅の販売件数は同12.4%減の18万4000件となっている。

 住宅価格は中央値(季節調整前)で、前月比2.8%低下の47万1200ドルと3カ月ぶりに低下した。販売価格帯を見ると、40万ドル以上の高額物件の販売比率が62%と、10月の67%から低下した一方、40万ドル未満の手ごろ物件比率は37%と、10月の33%を上回った。

 地域別販売件数は、北東部が前月比8.5%減の4万3000件、全体の約70%を占め、販売件数が最も多い南部が同2.1%減の36万9000件となった。対照的に、南部に次いで販売件数が多い西部が同27.6%増の17万1000件、中西部が同21.3%増の5万7000件となった。

 住宅供給(在庫)は、11月の新築住宅在庫が前月比1.7%減の46万1000件と3カ月ぶりに減少した。販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準は8.6カ月相当と、前月の9.3カ月相当から低下したが、住宅建築業界が需要と供給のバランスが取れた容認可能な水準とする6カ月相当を上回った。

 FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが継続する見通しであることから今後も新築市場には逆風が吹き続けるとみている。ただ、最近の住宅ローン金利が低下傾向にあることや、住宅建築業者による積極的な値引き販売が続く可能性があることから、低調ながらも上向くとの見方がある。

提供:モーニングスター社

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