<新興国eye>前週のブラジル株、新政権の閣僚公表や新年度予算成立で3週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2022/12/26 9:09

 前週(19-23日)のブラジル株式市場は23日のボベスパ指数が前日比2.00%高の10万9697.57、週間ベースでは16日終値比6.65%高と、3週ぶりに反発した。

 週明け19日は指数が急反発。22日まで4日続伸した。

 週前半は、通貨レアル高が好感され、買いが優勢となった。また、中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年GDP伸び率の見通しが0.75%増から0.79%増に引き上げられたことも支援材料となった。原油高を受け、指数の構成ウエートが高い石油大手ペトロブラスが買われ、上げ主導した。その後は、下院でエイド・ブラジルの拡充計画(1世帯たり600レアルの追加助成金の支出)を実現するため、予算(歳出)上限を1450億レアル引き上げる憲法補足法(PEC)改正法案を1年間の期限付きとすることで与野党が合意したことが好感され、買いが一段と強まった。

 週後半は、レアル高の進行に加え、ルラ新政権の23年度予算案が下院を通過したことを受け、買い安心感が広がった。その後は、新年度予算が議会で正式に承認されたことや、ルラ政権の16人の閣僚名簿が公表されたことを市場が歓迎し、買いが優勢となった。ルラ政権のフェルナンド・ハダド財務相(元サンパウロ市長)を中心とした経済チームの主要メンバーも発表された。

 週末23日は5日続伸。12月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.52%上昇と、11月の同0.53%上昇を下回り、前年比も5.9%上昇と、21年3月(5.52%上昇)以来の低い伸びとなったことが好感され、買いが広がった。ただ、その一方で、米7-9月期GDPが前期比年率換算で3.2%増に上方改定され、依然、強い米経済が示されたことを受け、米利上げ圧力が高まったことや、中国の新型コロナ感染再拡大が今後、ピークを迎えることへの懸念で上値が抑えられた。

 今週(26-29日)の株式市場は、ウクライナ情勢や西側の対ロ追加制裁、台湾情勢巡る米中関係、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、特にルラ次期政権の経済政策も注目される。主な経済指標の発表予定は26日の12月ジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)消費者信頼感指数や29日の12月FGV・IGP-MIインフレ指数と11月財政収支など。30日は「バンクホリデー」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:モーニングスター社

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