【為替本日の注目点】ドル円127円台前半まで下落後反発
ひと目で分かる昨晩の動き
欧州市場
ドル円は東京市場で一時127円22銭近辺まで売られたが、その後は反発。欧州市場では朝方に128円台後半まで戻し、その後はもみ合う展開に。ユーロドルは小動きの中、終始1.08台前半で推移。
マーケット情報
ドル/円 127.90 ~ 128.86
ユーロ/ドル 1.0801 ~ 1.0837
ユーロ/円 138.51 ~ 139.17
NYダウ → 34,302.61ドル
GOLD → 1,921.70ドル
WTI → 79.86ドル
米10年国債 → 3.504%
本日の注目イベント
豪 1月ウエストパック消費者信頼感指数
中 12月小売売上高
中 12月鉱工業生産
中 10-12月GDP
独 12月消費者物価指数(改定値)
独 1月ZEW景気期待指数
英 ILO失業率(9ー11月)
米 1月NY連銀製造業景況指数
米 ウィリアムズ・NY連銀総裁、イベントで挨拶
米 企業決算 → モルガンスタンレー、ゴールドマン
加 12月消費者物価指数
加 12月住宅着工件数
ドル円は昨日の東京市場昼前には127円22銭近辺まで売られましたが、その後の欧州市場では反発し、終始128円台での推移でした。NY市場が「キング牧師生誕記念日」のため祝日だったこともあり、ドル売りの勢いも限定的でした。年初のドルの高値からわずか10日余りで7円以上ものドル下落は、短期的にはオーバーシュートの可能性があることを「ウィークリー・レポート」で書きましたが、基本的な流れは依然としてドル安であることは動かないでしょう。
ただ、明日は日銀の金融政策決定会合の結果発表があり、債券市場での金利上昇圧力を考えると、12月に次いで、何らかの修正発表があっても不思議ではありません。昨日も債券市場では長期金利が一時上限の「0.5%」を超え、「0.51%」まで上昇したことを受け、日銀が2兆円を超える国債買い入れを実施するなど、防戦に躍起でした。「0.5%」超えはこれで2日連続になります。イールドカーブの「ゆがみ」に着目した投機筋は、国債を借りて「空売り」し、日銀が12月と同様に長期金利の上限を拡大すれば、大きな利益につながるポジションを構築しているようです。明日の決定会合で修正がなかったとしても「0.5%の壁」を巡る攻防は続くとみられます。
毎年恒例のダボス会議(世界経済フォーラム)がスイス東部の保養地ダボスで16日から開幕しました。例年と異なるのは、先ず雪がほとんどないということと、ロシアからの参加者がいなかったことが挙げられます。一方で、中東ペルシャ湾岸諸国からの参加者が増えているとブルームバーグは報じています。ロシアのウクライナ侵攻や原油価格の高騰など、グローバルの大変動や権力構造の変化が参加者の顔ぶれにも如実に表れており、興味深い変化と言えます。会議で講演を行った著名人の発言は総じて景気に対してネガティブなものだったようです。世界最大の資産運用会社ブラックロックのヒルデブラント副会長(元スイス中銀総裁)は、金利政策緩和を期待するトレーダーの見方に反して、「中央銀行はインフレの低下傾向を確実にすべく今年も利上げを継続する」、「率直に言って年内緩和の可能性は全くないと私は思う」と述べています。一方で中国から参加している劉鶴副首相は18日、チューリッヒでイエレン米財務長官と会談するとの報道もあります。昨年11月、対面による初めとなる米中首脳会談が実施されましたが、その後両国関係に目立った進展はありません。経済運営トップ同士の会談は、今後の通商問題の改善につながる可能性がありそうです。
中国が発表した新型コロナウイルスによる死者数約6万人に対して、やはり専門家からは疑問の声が上がっています。カリフォルニア大学ロサンゼルス校の帳作風疫学部長は「発表された新型コロナ死者数は氷山の一角かもしれない」と指摘し、病院での死者数としては同氏の推計とほぼ一致するものの、「これは中国全土での合計死者数に対して一握りに過ぎない」と述べています。ブルームバーグの分析によれば、公式の死者数は人口100万人に対して1日当たり1.17人が死亡したことを意味するが、これは当初のゼロコロナ政策を転換して制限を緩和した他国の平均を大きく下回っており、ここからも数字の信ぴょう性が疑われるとのことです。
本日のドル円は127円~129円50銭程度を予想します。
(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)
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・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧
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