FOMC、0.25ポイント追加利上げ決定―パウエル議長は利上げ継続の姿勢示す

経済

2023/2/2 10:05

<チェックポイント>

●パウエル議長、「インフレ率鈍化も持続的な低下は確信持てない」と

●緩やかな利上げが続く可能性を示唆

●23年の景気は「プラス成長」を予想、リセッション懸念否定

 FRB(米連邦準備制度理事会)は1日のFOMC(公開市場委員会)で、政策金利であるFF(フェデラル・ファンド)金利の誘導目標を0.25ポイント引き上げ、4.50-4.75%とすることを全員一致で決めた。市中銀行がFRBに預け入れることを義務付けている準備預金の預入額に付与する金利も同率引き上げ、4.65%とした。

 利上げは22年3月会合から8会合連続で、利上げ幅は市場予想通り。22年3月に0.25ポイント、5月に0.5ポイント引き上げたあと、6月から11月まで4会合連続で0.75ポイントの大幅利上げを実施していたが、前回の12月会合で利上げ幅を0.5ポイントに縮小し、今回の会合で利上げ幅はさらに縮められた。

 FRBは会合後に発表した声明文で、インフレ率の伸びを2%に抑えるため、「継続的な引き上げが適切」とし、利上げを継続する方針を示した。一方、これまでの利上げ効果を見極める必要もあるとしており、緩やかな利上げが続く可能性を示唆している。

 パウエルFRB議長は会合後の会見で、インフレの見通しについて、「現在のインフレ率はやや伸びが鈍化し始めたが、持続的に低下すると確信することができない」とし、利上げの継続が必要との認識を示した。一方、23年の景気については、「緩やかながらプラス成長となると予想している」とし、市場のリセッション(景気後退)懸念を否定した。

 金融政策の見通しについては、インフレ抑制のために、さらに数回の利上げについて議論しているとした。パウエル議長はインフレとの戦いに対し、「勝利宣言は時期尚早」とし、「やるべきことがたくさん残っている」と述べた。

 前回会合で公表されたメンバー19人による23年末時点の政策金利見通しの中央値は5.00-5.25%となっており、あと0.5ポインの利上げ余地があるが、パウエル議長は「政策金利を5%未満で維持すること、大きな景気後退や失業率の大幅な上昇を回避しながらインフレの伸びを2%に抑えることは「可能」と述べている。

 市場では政策金利のピークを5%未満と予想しており、12月会合までに少なくとも0.25ポイントの利下げに転換、政策金利は4.5%を下回ると見ている。

 次回会合は3月21-22日に開かれる予定。

提供:モーニングスター社

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