中国生物製薬、抗腫瘍薬ベバシズマブ注射液が中国当局から承認受ける

サーチナ

中国株

2023/3/7 9:22

 中国の製薬会社、中国生物製薬<サイノバイオファーマスティカル>(01177/香港)は3月3日、同社が開発した抗悪性腫瘍剤ベバシズマブ注射液について、国家薬品監督管理局から承認を受けたことを発表した。

 同社が3日に発表した公告によれば、同社が開発を進めていたバイオシミラー(後続品)薬のベバシズマブ注射液「安倍斯」がこのほど、国家薬品監督管理局発行の薬品登録証書を取得し、転移性結腸がん、再発膠芽腫、末期・転移性・再発性非小細胞癌を適応症とする治療薬として承認された。

 ベバシズマブ注射液は組換え型ヒト化IgG1モノクローナル抗体で、血管内皮細胞上増殖因子(VEGF)受容体と特異的に結合することで、腫瘍組織での血管新生を抑制する。腫瘤血管の正常化を促すほか、腫瘍組織の有効薬物濃度を高めることで抗腫瘍の作用も発揮する。

 同社は薬剤の構造や生物学的活性、安定性など9つの品質属性から市販の対照薬との比較研究を実施し、いずれにおいても対照薬との相似性が確認されたとしている。また、製剤方法の最適化を図り、高分子不純物をより低減し、安定性がより高まったとした。

 そして、中国では現在VEGF関連薬物市場が大きな潜在性を持っており、同社の「安倍斯」が発売されることによりベバシズマブへのアクセシビリティが高まり、多くの悪性腫瘍患者に恩恵をもたらすことになるとした。

 同社は2000年に香港証券取引所創業板に上場、03年に香港メインボードに上場した。21年12月期の売上高は236億4722万元(前期比13.59%増)、純利益は43億4066万元(同3.83倍)。22年1〜6月期の売上高は151億9373万元(前年同期比5.85%増)、純利益は31億8322万元(同66.98%減)。(編集担当:今関忠馬)(写真:123RF)

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