来週の日本株の読み筋=FOMCが焦点、底堅さにつながる可能性も

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2023/3/17 16:27

 来週(20日、22-24日)は、21日の春分の日を挟んで4営業日となるが、目先は21-22日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)が焦点となる。

 今週は、米シリコンバレー銀行(SVB)の経営破たんに端を発する信用不安に揺れた。信用ショックは欧州に飛び火し、スイス金融大手のクレディ・スイス(CS)グループの経営不安の再燃に至った。ただ、米国に関しては連邦当局が預金の全額保護を決め、CSに対してもスイス国立銀行(中央銀行)が500億スイス・フラン(7兆円超)の資金供給に動いた。当局の対応は素早く、パニックは収束へ向かいつつある。

 一方、中央銀行が、金融政策の主眼をインフレと信用不安のどちらに置くのかという、難しい選択を迫られるなか、ECB(欧州中央銀行)は16日の理事会で、0.5%の大幅追加利上げに踏み切った。まずはインフレ退治を優先した格好だ。マーケットは利上げに動じることはなく、同日の欧米市場で主要株価指数は軒並み上昇し、投資家がひとまず冷静さを取り戻したと考えられる。

 注目のFOMCでは、前回と同じ0.25%の利上げを想定する向きが多いようだ。あるいは信用不安が台頭する前のコンセンサスに当たる0.5%を覚悟する必要もあるが、ECB理事会を試金石にすると、市場が混乱に陥ることにはならないかもしれない。金融システム不安への警戒感はまだ払しょくできないものの、とりあえずFOMCを波乱なく通過すれば、底堅さにつながる可能性もある。

提供:ウエルスアドバイザー社

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