英中銀、政策金利を0.25ポイント引き上げ―2委員が据え置きを主張

経済

2023/3/24 10:24

<チェック・ポイント>

●金融システム不安に対しては「英銀システムは強い自己資本と流動性を維持」

●据え置き主張の2委員、「行き過ぎた利上げは早期利下げを必要とする」と指摘

●市場は次回会合での追加利上げで利上げサイクル停止と予想

 BOE(イングランド銀行、英中銀)は23日、金融政策委員会(MPC)で政策金利を0.25ポイント引き上げ、4.25%とすると決定した。市場予想通りだった。9人の委員のうち、7人が支持し、残りの2人は据え置きを主張した。利上げは11会合連続だが、利上げ幅は前回、前々回の0.5ポイントから縮小した。

 BOEは声明文で、追加利上げを決めた理由について、最近のインフレ率の高さをあげており、もFRB(米連邦準備制度理事会)同様、インフレへの対応を優先した格好。今後についても、「より持続的なインフレ圧力の兆候があれば、金融政策の追加引き締めが必要となる」とし、利上げを継続する可能性を示唆した。

 最近の欧米での金融システム不安については、「英国の銀行システムは強い自己資本と流動性を維持しており、金利上昇期などさまざまな経済シナリオでも経済を支え続けることができると判断している」とし、「英国の銀行システムは依然として回復力がある」と指摘している。

 一方、委員のうち据え置きを主張した2人は、エネルギー価格の高騰などの外部ショックや他のコストプッシュ(インフレ)要因の影響が解消するにつれて、インフレの全体指数は23年にかけて急激に減速するため、価格設定への圧力も低下するとし、利上げの必要性を否定。また、利上げ効果の時間差により、これから過去の累積的な利上げ効果が現れ、その結果、インフレ率が物価目標を大幅に下回る弊害が高まるとも主張。また、行き過ぎた利上げにより、BOEは早期に利下げを開始する状況に陥ると懸念を示した。

 BOEはGDPの見通しについて、23年1-3月期を前期比0.1%減と予想し、2月経済予測の0.3%減から上方修正した。4-6月期も前回予想時の0.4%減からわずかにプラス成長に転じるとの見通しを示している。

 市場では、今回の会合で0.5ポイントの大幅利上げの必要性について議論がなかったことや、ベイリー総裁のインフレがピークに達したとの発言を受け、次回5月11日会合で追加利上げし、利上げサイクルを終了するとみている。

 次回の会合は5月11日に開かれる予定。

提供:ウエルスアドバイザー社

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