日経平均は20円高と小幅続伸、金融株中心に買い先行も一時下げ転換―半導体関連株安は重し=28日前場

 28日前場の日経平均株価は前日比20円58銭高の2万7497円45銭と小幅続伸。朝方は、27日の米国株式市場で銀行株を主体に上昇した流れを受け、金融株中心に買いが先行した。FDIC(米連邦預金保険公社)は26日、経営破たんしたシリコンバレー銀行について、米地方銀行のファースト・シチズンズ銀行が買収することで合意したと発表し、金融システム不安が和らいだ。NY原油先物高を背景に石油関連株も高く、日経平均株価は寄り付き後まもなく2万7603円45銭(前日比126円58銭高)まで値を上げた。ただ、27日の米ハイテク株安を反映し、半導体関連株などが安く、一巡後は下げに転じる場面もあった。その後は底堅く、前引けにかけて小高い水準で推移した。

 日経平均プラス寄与度では、ファストリテ<9983.T>の16円強を筆頭にKDDI<9433.T>が9円強、アステラス薬<4503.T>が3円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、鉱業、銀行、保険など22業種が値上がりし、サービス、精密など11業種が値下がりした。東証プライム銘柄では、全体の54.5%が下落したが、主力大型株中心に高く、指数を支えた。

 東証プライムの出来高は5億1093万株、売買代金は1兆1254億円。騰落銘柄数は値上がり747銘柄、値下がり1001銘柄、変わらず88銘柄。

 市場からは「銀行株が強いが、値がさ半導体関連株が安く、指数の重しになっている。あすは3月期末権利取りの最終日で、30日の配当落ち後は支えがなくなる。配当再投資に伴う買い需要はあるが、海外投資家はそれに売り向かうとみられ、あまり期待できない。グローバル景気には不透明感があり、次第に弱基調になるのではないか」(銀行系証券)との声が聞かれた。

 業種別では、INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株が堅調。三菱UFJ<8306.T>、三井住友<8316.T>、みずほ<8411.T>、りそなHD<8308.T>などの銀行株や、第一生命HD<8750.T>、T&DHD<8795.T>、東京海上<8766.T>などの保険株も買われた。出光興産<5019.T>、ENEOS<5020.T>、コスモエネH<5021.T>などの石油石炭製品株や、DOWA<5714.T>、住友鉱<5713.T>、三井金<5706.T>などの非鉄金属株も高い。野村<8604.T>、大和証G<8601.T>、岡三<8609.T>などの証券商品先物株も値を上げた。

 半面、エムスリー<2413.T>、リクルートH<6098.T>などのサービス株が軟調。オリンパス<7733.T>、ニコン<7731.T>などの精密株や、JR東海<9022.T>、西武HD<9024.T>などの陸運株も安い。東エレク<8035.T>、アドバンテス<6857.T>、ソニーG<6758.T>などの電機株も売られた。

 個別では、安永<7271.T>、JDI<6740.T>、中部鋼鈑<5461.T>などが値上がり率上位。半面、RPAH<6572.T>、ギークス<7060.T>、フリービット<3843.T>などが値下がり率上位。

提供:ウエルスアドバイザー社

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