<新興国eye>前週のブラジル株、通貨レアル高や国内と米国の利下げ観測を受け急反発=BRICs市況

新興国

2023/4/17 9:06

 前週(10-14日)のブラジル株式市場は14日のボベスパ指数が前日比0.17%安の10万6279.4、週間ベースでは6日終値比5.41%高と、急反発した。

 週明け10日は指数が反発。12日まで3日続伸した。13日は小反落。

 週前半は、これまでの相場下落を受け、安値拾いや値ごろ感による買い戻しが活発化した。また、中銀が発表した経済週報「フォーカス・ブルティン」で、23年実質GDP(国内総生産)伸び率の見通しが前週予想の0.9%増から0.91%増に引き上げられたことも好感された。その後は、3月IPCA(拡大消費者物価指数)が前月比0.71%上昇と、前月(同0.84%上昇)や市場予想(同0.77%上昇)を下回ったことを受け、早期利下げ観測が強まり、買いが優勢となった。また、通貨レアル高となったことも支援材料となった。

 週後半は、レアル高の進行や国債価格の上昇が好感され、買いが優勢となった。外国人投資家がルラ新政権の財政方針を評価し、ブラジル国債への買いを強めているのが背景。また、米3月CPI(消費者物価指数)伸びが鈍化したことを受け、米利下げ観測が強まり、買いが一段と広がった。また、原油高を受け、資源セクターが買われ、上げを主導。その後は、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。市場ではルラ大統領とフェルナンド・ハダド財務相の訪中に関心が集まった。

 週末14日は続落。引き続き、これまでの相場上昇を受け、高値警戒感から利食い売りが強まった。ただ、ブラジルと米国での利下げ観測が強まり、リスク選好投資の勢いが続いており、下値は限られた。

 今週(17-20日)の株式市場は、米国の金融不安の動向やウクライナ情勢、西側の対ロ追加制裁、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政政策も注目される。主な経済指標の発表予定は17日の4月IGP-10インフレ指数(3月11日-4月10日まで物価変動指数)とGDP伸び率の先行指標となっている1月IBCーBr(経済活動指数)、19日の2月鉱工業生産など。21日は「チラデンテスの日」の祝日で休場となる。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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