日経平均は188円安と5日ぶり反落、円高重しで売り優勢―2万9000円割れ=8日前場

 8日前場の日経平均株価は前営業日比188円27銭安の2万8969円68銭と5営業日ぶりに反落。取引時間中での2万9000円割れは4月28日(安値2万8449円51銭)以来3営業日ぶり。朝方は、売り優勢で始まった。大型連休中に外国為替市場で円高・ドル安が進行し、重しとなった。いったん持ち直す場面もあったが、買いは続かず、再び軟化し、前場終盤には2万8935円56銭(前営業日比222円39銭安)まで下落した。その後の戻りは鈍く、さえない展開となった。

 日経平均マイナス寄与度では、ファーストリテ<9983.T>の83円強が大きく、ソフバンG<9984.T>が16円強、第一三共<4568.T>が15円強と続いた。東証業種別株価指数(全33業種)では、空運、パルプ・紙、海運など18業種が値上がりし、鉱業、銀行、保険など15業種が値下がりした。東証プライム銘柄の59.6%が上昇したが、主力大型株中心にさえず、TOPIX(東証株価指数)の続落(前営業日比4.86ポイント安の2070.67ポイント)につながった。

 東証プライムの出来高は6億733万株、売買代金は1兆5486億円。騰落銘柄数は値上がり1093銘柄、値下がり658銘柄、変わらず83銘柄。

 市場からは「連休前の日経平均2万9000円乗せで高値警戒感もあり、国内機関投資が利益確定売りに動いているようだ。ここからは売りを吸収する段階になるとみられるが、決算を精査しつつ、個別株物色の流れが強まっていこう」(中堅証券)との声が聞かれた。

 業種別では、INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株が軟調。三菱UFJ<8306.T>、りそなHD<8308.T>、コンコルディ<7186.T>などの銀行株や、T&DHD<8795.T>、第一生命HD<8750.T>、東京海上<8766.T>などの保険株も売られた。ENEOS<5020.T>、出光興産<5019.T>などの石油石炭製品株もさえない。アステラス薬<4503.T>、協和キリン<4151.T>、小野薬<4528.T>などの医薬品株や、資生堂<4911.T>、JSR<4185.T>、日産化<4021.T>などの化学株も値を下げた。

 半面、ANA<9202.T>、JAL<9201.T>などの空運株が堅調。大王紙<3880.T>、王子HD<3861.T>などのパルプ・紙株や、川崎汽<9107.T>、郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>などの海運株も高い。東電力HD<9501.T>、関西電力<9503.T>、中国電力<9504.T>などの電気・ガス株も引き締まった。

 個別では、ADWAYS<2489.T>、アルインコ<5933.T>、ジャムコ<7408.T>などが値下がり率上位。半面、JVCKW<6632.T>、芦森工<3526.T>、ひらまつ<2764.T>などが値上がり率上位。

提供:ウエルスアドバイザー社

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