【為替本日の注目点】ドル円141円台後半まで上昇

為替

サーチナ

2023/7/24 9:59

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は続伸し141円台に。日本時間の夕方、ロイター通信が「日銀が決定会合で政策を据え置く」と報じたことで円売りが加速し、欧州市場では141円95銭近辺まで上昇。ユーロドルは続落。1.1008まで売られたが円に比べ下げは緩やか。今週の会合での利上げが支えに。株式市場ではダウは小幅ながら上昇し、10連騰を達成。ナスダックは30ポイント下げる。債券は小幅に続伸。長期金利は3.83%台に低下。金は続落し、原油は続伸。

マーケット情報

ドル/円 141.23 ~ 141.85

ユーロ/ドル 1.1008 ~ 1.1138

ユーロ/円  157.15 ~ 157.77

NYダウ +2.51 → 35,227.69ドル

GOLD -4.30 → 1,966.60ドル

WTI +1.42 → 77.07ドル

米10年国債 -0.015 → 3.835%

本日の注目イベント

独 7月サービス業PMI(速報値)

独 7月総合PMI(速報値)

欧 ユーロ圏7月製造業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏7月サービス業PMI(速報値)

欧 ユーロ圏7月総合PMI(速報値)

英 7月製造業PMI(速報値)

英 7月サービス業PMI(速報値)

米 7月S&Pグローバル製造業PMI(速報値)

米 7月S&Pグローバルサービス業PMI(速報値)

米 7月S&PグローバルコンポジットPMI(速報値)

 ドル円は先週金曜日の夕方、英ロイター通信が「27-28日の決定会合で日銀は現状の政策を維持する公算が高い」と報じたことで円売りが強まり、ドル円は欧州時間に141円95銭近辺まで大きく上昇。その後のNYでも141円台で推移しました。ドルが買い戻される中、低金利の円が最も大きく売られ、ユーロ円は158円台、ポンド円も一時は182円台半ばまで上昇し、円全面安の展開でした。今週の日米欧3中銀の会合では、FRBもECBも0.25ポイントの利上げの可能性が高く、日銀だけが超低金利政策を維持することで、金利差が再び拡大するとの見立てが背景になっています。

 ただ、日銀は現状維持が見込まれてはいますが、「動く」と予想する向きもないわけではありません。もし動けば、それはかなり大きな「サプライズ」として受け止められ、市場への影響も大きく、円が大きく買い戻されることになるはずです。一応注意は必要かと思います。一方、FRBとECBは0.25ポイントの追加利上げを実施すると見ていますが、焦点はその後の政策スタンスです。6月会合では一旦利上げを休止したFRBが再び追加利上げを実施することになりますが、だからといってFRBが昨年来の「利上げ軌道」に戻るわけではないと見ています。米国の6月の消費者物価指数(CPI)は総合で「3.0%」でした。先週末に発表された日本の6月のCPIが「3.2%」だったことから、日米のインフレ率は逆転しています。一方で、日本の短期の政策金利は「マイナス0.1%」で、米国は間もなく「5.25%」になろうとしています。円の実質金利は大きくマイナスで、これは円を持っていれば、その価値がどんどん低下することを意味します。資金がドルに流れるのは「必然」です。

 FOMCでは会合後のパウエル議長の会見が注目されます。6月の議会証言では、「年内あと2回程度の利上げが適切になるかもしれない」と述べていましたが、CPIが順調に低下傾向を示していることが確認された今でも、同様な認識を維持しているのかがポイントになります。また、ECBについてはラガルド総裁が、「まだやるべきことが残っている」とタカ派姿勢を崩してはいませんが、政策委員会のメンバーで、タカ派の一角であるクノット・オランダ中銀総裁が「7月は利上げが必要だろう。その後はせいぜい可能性で、決して確実ではない」と述べていました。またその後もドイツ連銀のナーゲル総裁も「7月より後の決定はデータ次第だ」と述べるなど、ドイツを中心とした「タカ派陣営」の発言にやや変化も見られます。パウエル議長にしてもラガルドECB総裁にしても、金融当局のトップは総じて慎重な物言いをすることは理解できます。金融当局の強い意志を示すとともに、先走る市場をけん制する意味合いもあります。両氏には、今回もタカ派発言の可能性があるのではないかと予想しています。いずれにしても今週は「中銀ウィーク」で、決定内容次第では大きく値が動く可能性もありそうです。

 ドル円は141円95銭まで反発したことで6月30日の高値からの下落分の「半値戻し」を達成しました。この上は、「61.8%」が142円08銭になりますので、次のメドはこの辺りかと思いますが、「半年戻しは全値戻し」という格言もあります。「熱い夏」はまだ続くと見ておくべきでしょう。それとともに「介入警戒感」も忘れることのないように・・・。

 本日のドル円は140円70銭~142円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ