中国大引:上海総合0.8%高で3日ぶり反発、医薬株に買い

週明け11日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前営業日比26.06ポイント(0.84%)高の3142.78ポイントと3日ぶりに反発した。
人民元安進行の警戒感後退で投資家心理が上向く流れ。中国人民銀行(中央銀行)は11日の声明で、「金融当局は人民元相場の安定に自信を持っている」としたうえで、投機的な動きをけん制した。11日の外国為替市場では、対米ドルの人民元が大幅な元高に転じて推移している。新規融資の伸びもポジティブ。人民銀が取引時間中に報告した8月の金融統計では、人民元建ての新規融資が予想以上に前月から拡大した。過度なデフレ懸念も後退。9日に公表された8月の物価統計では、消費者物価指数(CPI)が前年同月比で0.1%上昇し、3カ月ぶりにプラスを回復した。生産者物価指数(PPI)はマイナス率が3.0%にとどまり、前月実績(マイナス4.4%)から下落率が鈍化している。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、医薬の上げが目立つ。江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が6.0%高、人福医薬集団(600079/SH)が5.4%高、健康元薬業集団(600380/SH)が4.0%高、津薬達仁堂集団(600329/SH)が2.6%高で引けた。
消費関連株もしっかり。衣料品の海瀾之家(600398/SH)が4.0%、自動車の長城汽車(601633/SH)が3.4%、酒造の重慶ビール(600132/SH)が2.4%、化粧品の上海家化聯合(600315/SH)が2.0%、免税店の中国旅遊集団中免(601888/SH)が1.7%、食品の仏山市海天調味食品(603288/SH)が1.5%、スーパーの永輝超市(601933/SH)が1.2%ずつ上昇した。
ハイテク株も物色される。スーパーコンピューター世界大手の曙光信息産業(603019/SH)が4.5%高、半導体モジュール生産の嘉興斯達半導体(603290/SH)が2.5%高、ディスプレー基幹部品の彩虹顕示器件(600707/SH)が2.1%高、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.0%高で取引を終えた。エネルギー株、素材株、インフラ関連株、不動産株、金融株、運輸株なども買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.80ポイント(0.34%)高の237.73ポイント、深センB株指数が7.09ポイント(0.62%)高の1146.11ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)

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