<新興国eye>カンボジア展望会議2023―2030年までに高位中所得国入りを目指す

新興国

2023/12/8 8:47

 11月23日、プノンペンのソッカホテルでカンボジア展望会議2023(Cambodia Outlook Conference 2023)が開催されました。今回のテーマは、「カンボジアビジョン2030とその先:耐久力のある持続可能な包括的繁栄への道」でした。この会議は、おおむね毎年開催されており、今年で15回目となります。主催は、研究機関のカンボジア開発資源研究所(CDRI)です。

 今年は、フン・マネット首相、オウン・ポン・モニロット経済財政大臣、ソクチェンダ・ソピア外務大臣、チア・スレイ中央銀行総裁ほか要人が多数参加され、会場は500名以上の参加者で埋まりました。

 3つのセッションが開催され、「カンボジアの経済予測と改革の優先順位」、「持続的開発と社会的進化に向けた優先事項」、「カンボジアが開発をアップグレードするための道」等について議論されました。

 フン・マネット首相は、冒頭スピーチで、カンボジアが2030年までに高位中所得国に、2050年までに高所得国になることを目指して、政府としては全ての努力を注入していくと強調しました。

 2030年までにカンボジアが高位中所得国となるには、毎年10%以上の成長が必要であり、かなり高めの目標設定と見られます。しかし、毎年7%前後の成長を続けることで、2035年くらいまでには高位中所得国入りすることも夢でないものと見られます。今回の会議で取り上げられた様々な課題に取り組み高度成長を目指すとともに、貧困削減も達成していくことが期待されます。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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