<新興国eye>前週の上海総合指数、格付け見通し引き下げや外国人売り越しに3週続落=BRICs市況

新興国

2023/12/11 8:58

 前週(4ー8日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで3週続落。8日は2969.56(1日終値比2.05%安)だった。

 週明け4日は指数が下落。翌5日は大幅安となり、7日まで4日続落。

 週前半は、11月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)が49.4と、10月の49.5から低下、好不況の分かれ目となる50を2カ月連続で下回ったことを受け、景気後退懸念で売りが優勢となった。市場の一部では10-12月期GDP伸び率は前期の前年比5.6%増から同2.8%増に減速すると予想。その後は、米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスが中国のソブリン債格付け見通しを「安定的」から将来、引き下げ方向で見直すことになる「ネガティブ」に引き下げたことや、外国人投資家の売り越しを受け、売りが急速に強まった。

 週後半は、中国の格付け見通し引き下げが引き続き、売り材料となった。格付け見通しの下げにより、政府は債務問題を抱える地方行政府や国有企業への資金支援を迫られ、中国の財政と経済の見通しに対するリスクとなることが背景。その後は、11月貿易統計で輸出は製造業が値下げで販売を増やしたため、前年比0.5%増と、6カ月ぶりに増加に転じたものの、輸入が同0.6%減と、市場予想(3.3%増)に反し、減少したことが嫌気され、売りが広がった。

 週末8日は5日ぶりに反発。月内に中央経済工作会議が開かれ、今後の景気対策を協議するとの観測で、買いが優勢となった。

 今週(11-15日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策決定会合(13日)も注目される。主な経済指標の発表予定は15日の11月新築住宅価格と11月鉱工業生産指数、11月小売売上高、1-11月固定資産投資、1-11月不動産開発投資など。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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