【為替本日の注目点】ドル円はさらに反発し146円台半ばまで上昇

為替

サーチナ

2023/12/12 10:16

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は146円台半ばまで続伸。「マイナス金利解除は急がない」とのブルームバーグの報道に反応し、146円59銭までドル高に。ユーロドルは大きな変化がなく、1.07台半ばでもみ合う。株式市場は3指数が続伸。ダウは3日続伸し、年初来高値を更新。ナスダックはインテルなどが上昇し28ポイント高。債券は今夜のCPIを前に小動き。長期金利は小幅に上昇し、4.23%台で引ける。金はドル高が進んだことで3日続落。2000ドルの大台を割り込む。原油はやや上昇。

マーケット情報

ドル/円 146.05 ~ 146.59

ユーロ/ドル 1.0742 ~ 1.0768

ユーロ/円 156.98 ~ 157.68

NYダウ +157.06 → 36,404.93ドル

GOLD -20.80 → 1,993.70ドル

WTI +0.09 → 71.32ドル

米10年国債 +0.008 → 4.233%

本日の注目イベント

豪 豪12月ウエストパック消費者信頼感指数

豪 豪11月NAB企業景況感指数

独 独12月ZEW景気期待指数

英 英ILO失業率(8-10月)

英 英11月失業率

米 11月消費者物価指数

米 11月財政収支

米 バイデン大統領、ウクライナのゼレンスキー大統領と会談(ホワイトハウス)

 ドル円はブルームバーグのニュースに反応し、NYでは146円59銭まで買われました。昨日も触れましたが、これで先月13日の高値である151円91銭から今回の下げの「38.2%戻し」は抜き、「50%(半値)戻し」(146円81銭)に近づいてきました。何度も言っていますが、「半値戻しは全値戻し」という言葉があるように、147円に近づくようだと再び150円台もないとは言い切れなくなります。現時点ではまだドルの上値は重いと考えていますが、荒っぽい展開が続くドル円のこと、この先まだまだ、波乱含みが予想されます。NY株が堅調なこともリスクオンの流れに傾き易く、円売り材料として捉えることができそうですが、今後も柔軟な対応が不可欠です。

 NY連銀が発表した調査結果によると、1年先のインフレ期待の中央値は「3.4%」と、10月の「3.6%」から低下していました。これで2カ月連続の低下ですが、3年と、5年のインフレ期待は前月から横ばいでした。背景は、ガソリン価格と家賃が下落したことが大きかったようですが、労働市場に対する消費者の見方にも変化が出ています。今後1年以内に職を失うと考える確率は平均で1ポイント近く上昇し「13.6%」となり、また失業後に職が見つかると考える確率も「55.2%」と、7カ月ぶりの低水準でした。失業保険申請件数も増加傾向にあり、「職はいつでも見つかる」と考えていた年初の頃に比べ、人々の意識も変わってきたようです。

 今夜発表の11月の消費者物価指数(CPI)は、前月比では「0.0%」で横ばい、前年比では「3.1%」と鈍化が予想されています。またコア指数では前月比では伸びていると見込まれ、前年比では横ばいと予想されています。いずれにしても、13日のFOMCの決定には影響がないと思われます。一方、先週の植田総裁の発言でにわかに政策修正観測が高まった日銀ですが、ブルームバーグが報道した「動きはない」との見方が市場で受け入れられています。ブルームバーグは、事情に詳しい複数の関係者への取材で分かったとして、「日銀は、賃金と物価の好循環の実現に向けた十分な確証が得られていないため、マイナス金利やイールドカーブコントロール(YCC)の撤廃などを今月急ぐ必要はほとんどないとの認識だ」と伝えています。このニュースがドル円を押し上げましたが、これで先週木曜日の141円台後半からはおよそ5円も反発したことになります。本日のドル円は145円~146円80銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(写真:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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