【為替本日の注目点】「米11月のCPIは3.1%」

為替

サーチナ

2023/12/13 10:22

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 ドル円は146円台半ばから反落。米長期金利が低下したこともあり144円72銭まで売られ、先週金曜日の水準まで下落。ユーロドルは反発。1.0830まで買われ、およそ1週間ぶりの高値に。株式市場は朝方軟調に取引が始まったが、買い優勢となり3指数は揃って3日続伸。債券は買われ、長期金利は4.20%台に低下。米11月のCPIを巡っては微妙な反応に。金は3日続落し、原油も反落。

************************

11月消費者物価指数 → 3.1%(前年同月比)

11月財政収支 → -3140億ドル

************************

マーケット情報

ドル/円 144.72 ~ 145.85

ユーロ/ドル 1.0768 ~ 1.0830

ユーロ/円 156.58 ~ 157.21

NYダウ +173.01 → 36,577.94ドル

GOLD -0.50 → 1,993.20ドル

WTI -2.71 → 68.61ドル

米10年国債 -0.033 → 4.201%

本日の注目イベント

日  10-12月期日銀短観・大企業製造業業況判断

日  10-12月期日銀短観・大企業製非造業業況判断

中東 OPEC月報

欧  ユーロ圏10月鉱工業生産

英  英10月鉱工業生産

英  英10月貿易収支

米  11月生産者物価指数

米  FOMC 政策金利発表

米  パウエル議長記者会見

 ドル円は146円台半ばから反落し、昨日のNYでは一時144円台後半まで売られる場面もありました。結局、今回の下落分の「半値戻し」は達成せずに売られたことになります。それでも米11月の消費者物価指数(CPI)が発表されると、145円台半ばまで買い戻されましたが、今夜のFOMCを前にその後の動きは緩慢でした。

 11月の総合CPIは、前月比で「0.1%」(10月は「0.0%」)、前年同月比では「3.1%」(10月は「3.1%」)でした。またコアCPIは前月比で「0.3%」(10月は「0.2%」)、前年同月比では「4.0%」(10月も「4.0%」)と、前月比ではいずれも上振れしたことで、FRBの利下げ期待はやや後退したようですが、これが今夜のFOMCの決定に影響を及ぼす可能性はないようです。米国のインフレは着実に鈍化してはいるものの、この日のデータはインフレをここからさらに低下させることが容易ではないことを、改めて浮き彫りにした格好でした。労働市場が依然強く、個人消費とともに経済全般を引き続き引っ張っているようで、「ラスト・ワンマイル」は容易ではないと言われる根拠にもなっていると思われます。ただ、イエレン財務長官は昨日ワシントンでのイベントで、「インフレ率は確実に低下しつつある」とし、「インフレ率を金融当局の目標である2%に戻すまでの最後の1マイルが特に難しいとは考えていない」と、上記11月のCPI発表後に述べています。イエレン氏は「難しくない」とする、その根拠については触れていません。

 イスラエルのネタニヤフ首相は、パレスチナ自治区ガザへの執拗な攻撃を続けていますが、同首相と米国のバイデン政権との間に、ようやく亀裂らしきものが見えてきました。バイデン大統領は12日、イスラエルの「右派政権」はイスラム組織ハマスに対する軍事作戦で国際的な支持を失いつつあると主張、ネタニヤフ首相にパレスチナ側との2国家による解決を支持するよう迫った(ブルームバーグ)と報じられています。ブルームバーグによると、「この発言は、10月7日にイスラエルとハマスの戦争が始まって以来、ネタニヤフ政権を最も厳しく批判したものの一つ。ネタニヤフ氏はこの数時間前、戦争後のガザ地区の将来についてバイデン氏と「不一致」があり、パレスチナ自治政府が同地区を再び統治するというバイデン氏の提案を拒否したことを明らかにしていた」と報じています。バイデン大統領はワシントンでの会合で、ネタニヤフ政権について「世界がイスラエルを支持し続けるのを極めて難しくしている」と発言し、「ネタニヤフ氏は良い友達だ」としつつ、「変わらなければならない」とも述べています。イスラエルの非人道的で無差別な攻撃を止めさせることをできるのは「米国だけ」であると考えていましたが、バイデン政権もようやく2024年大統領選への影響を考え、動き出したようです。米国にとって「手塩にかけて育てた子供」が反抗している現在、そろそろ親の威厳を見せる時です。遅すぎると取り返しのつかない事態にもなりかねません。イスラエルの対応が注目されます。

 明日朝方には今年最後のFOMCとパウエル議長の会見があります。政策金利の据え置きはほぼ確定的と思います。注目はパウエル議長の発言内容ですが、少なくとも「勝利宣言」はなく、ある程度のメドはついたものの、引き続き今後のデータを注視していくといった内容になるのではと予想しています。データ次第では追加利上げの可能性もあるといった「再利上げの扉」を開けておくのかどうかも、ポイントの一つになろうかと思います。本日のドル円は144円~146円50銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

関連記事

マーケット情報

▲ページTOPへ