<新興国eye>前週の上海総合指数、米中・台中関係の緊張や景気悪化懸念を受け続落=BRICs市況
2024/1/15 9:04
前週(8-12日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで続落。12日は2881.98(5日終値比1.61%安)だった。
週明け8日は指数が下落、翌9日は4営業日ぶりに反発した。10日は反落、11日は反発した。
週前半は、景気回復の遅れや、米中・台中関係の緊張の高まりが嫌気され、売りが優勢となった。また、証券監督当局が23年末に導入した運用会社による1日あたりの株式売買で、売り越しを禁止する措置を解除するとの憶測も売り材料となった。その後は、優良株に押し目買いが広がったことや、黒竜江省ハルビンなど北東部での冬の旅行需要の高まりを受け、観光関連株が上昇、上げをけん引した。
週後半は、台湾の総統選挙を間近に控え、地合いが悪化、売りが優勢となった。また、中国の衛星が台湾南部の上空を通過したため、台湾国防部が全土に警報を発令したことで台中関係の緊張が激化したことも売り材料となった。その後は、外国人投資家の買い越しが好感され、買いが強まった。景気懸念が強まる中、中国人民銀行(中銀)が今月にも政策金利を引き下げるとの観測も支援材料となった。
週末5日は反落。12月CPI(消費者物価指数)が前年比0.3%低下と、3カ月連続で低下、また、12月PPI(生産者物価指数)も同2.7%低下と、15カ月連続で低下、景気悪化を示すデフレが続いていることが嫌気され、売りが優勢となった。
今週(15-19日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場、さらには中国人民銀行の中期流動性ファシリティ(MLF)1年物金利の決定(15日)も注目される。主な経済指標の発表予定は17日の23年10-12月期GDP伸び率と12月小売売上高、12月鉱工業生産、12月70都市住宅価格指数、1-12月固定資産投資、12月失業率など。
<関連銘柄>
上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、
H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、
南方A50<1576.T>
提供:ウエルスアドバイザー社
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