<新興国eye>前週のブラジル株、堅調な景気指標や中国の不動産市場支援策に3週続伸=BRICs市況

新興国

2024/2/26 9:03

 前週(19-23日)のブラジル株式市場は23日のボベスパ指数が前日比0.63%安の12万9418.73、週間ベースでは16日終値比0.54%高となり、3週続伸した。

 週明け19日は指数が上昇、22日まで6営業日続伸した。

 週前半は、米株市場が休場となったことや、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録の公表を間近に控え、積極的な取引が抑えられる中、GDP伸び率の先行指標となっている12月IBC-Br(経済活動指数)が前月比0.82%上昇と、市場予想(0.75%上昇)を上回ったことが好感され、買いが優勢となった。

 その後は、重要な貿易相手国である中国の人民銀行(中銀)が不動産市場を支援するため、事実上の政策金利である銀行貸出金利のベンチマークのローンプライムレート(最優遇貸出金利、LPR)の5年物を0.25ポイント引き下げたことを好感、買いが強まった。中国の不動産セクター支援が建設を活発化させ、ブラジルの鉄鉱石需要を高めるとの憶測が背景。

 週後半は、前日の相場上昇の流れを受け、プラス圏で引けたものの、FOMC議事録で利下げ開始時期が遅れるとの見方が再び強まったことや、AI(人工知能)チップで業績好調の米グラフィック・プロセッサ(GPU)大手エヌビディアの四半期決算を翌日に控え、上値が重くなった。

 その後は、市場注目のエヌビディアの決算が発表され、利益と売上高が市場予想を上回り、好調となったことを受け、買いが一段と強まった。また、中銀の経済週報「フォーカス・ブルティン」で、24年の国内実質GDP伸び率の見通しが前週予想の1.60%増から1.68%増に引き上げられたことも支援材料となった。

 週末23日は急反落。ECB(欧州中央銀行)の金融政策決定会合の議事録が公表され、コアインフレ率の上昇圧力や賃金上昇圧力を考慮すると、早期利下げ開始は時期尚早との見方が強まったことを受け、売りが優勢となった。また、鉱山大手ヴァーレの四半期決算が大幅減益となったことも売り材料となった。

 今週(2月26日-3月1日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、中東・紅海でのイエメン武装勢フーシ派による船舶攻撃、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策なども注目される。

 主な経済指標の発表予定は27日の1月経常収支と2月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)、28日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)2月IGP-MIインフレ指数、1日の23年10-12月期GDPと2月S&Pグルーバル・ブラジル製造業PMI(購買担当者景気指数)など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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