【為替本日の注目点】米長期金利一時4.46%台に

為替

サーチナ

2024/4/9 9:48

ひと目で分かる昨晩の動き

NY市場

 底堅い動きを続けるドル円はNYのオープン時に151円94銭まで買われる。介入警戒感からそれ以上の上昇は見られなかったが米金利の上昇もあり、底堅い展開か。ユーロドルは1.08台でもみ合い。株式市場は3指数がまちまちながらほぼ横ばい。ダウは上げ、他の2指数は下げる。債券は続落。長期金利は一時、昨年11月以来となる4.46%まで上昇し、4.42%台で引ける。金は7日続伸し最高値を更新。原油は7日ぶりに小反落。

マーケット情報

ドル/円 151.73 ~ 151.94

ユーロ/ドル 1.0822 ~ 1.0862

ユーロ/円 164.40 ~ 164.90

NYダウ -11.24 → 38,892.80ドル

GOLD +5.60 → 2,351.00ドル

WTI -0.48 → 86.43ドル

米10年国債 +0.018 → 4.420%

本日の注目イベント

豪 豪4月ウエストパック消費者信頼感指数

豪 豪3月NAB企業景況感指数

 昨日のウィークリー・コメントに、「ドル円は先月20日に151円81銭まで上昇して以来、151円70銭を越えるのは今日(8日)までで10回ほどあります。そして全ては151円台後半で押し戻される展開が続いています。かといってドル売りが進むわけではないものの、151円台後半では『介入警戒感』が相当強く、152円台までドルを買い上げる『勇気』はないようです」と書きました。昨日のNYの朝方にも再び151円94銭までドルが買われる場面がありました。米長期金利が昨年11月以来となる4.46%台まで上昇したことを手掛かりにドルが買われたようですが、結局昨日も152円テストには至っていません。ただ、それでも今朝の本稿執筆時は151円80銭以上で推移しており、152円台は手の届く位置にあります。明日の消費者物価指数(CPI)が「大本命」ですが、何かのきっかけで届く可能性はありそうです。

 金価格が昨日も続伸し、一時「2372ドル」まで上昇する場面がありました。中国で金ブームが起きていることは聞いていましたが、昨日は中国で、金関連企業に投資するETF取引が一時停止されたというニュースがありました。中国の華夏基金管理は8日、投資家の利益を守るため「チャイナAMC CSI SH-SZ-HK金産業株ETF」の取引を現地時間午前10時30分まで停止したと発表しました。取引停止は3日以来2度目とのことです。報道によると、中国では最近金取引に投資家が殺到しているとのことで、米国の利下げ期待や地政学的な高まりが背景にあることも買い材料になっており、中国の中央銀行である人民銀行も大口の買い手で、大量の金を準備資産として購入している模様です。人民銀行の金保有高は17カ月連続で増加しており、保有していた米国債を売って金に換えていると見られます。

 イスラエルとパレスチナ自治区ガザでの停戦交渉が進展を見せています。イスラエルのカッツ外相は8日陸軍ラジオに対して、「われわれは重大な局面を迎えている」と述べ、「交渉が上手く進めば多くの人質が帰還し、その後段階的に全員が解放されるだろう。しかし、イスラム組織ハマスを相手にした交渉であり、時間はあまりない。以前よりは楽観が増しているということだ」と続けています。(ブルームバーグ)今回の報道はイスラエルとハマスの衝突以来、停戦に向け最も期待できそうな状況になっています。

 市場は明日の米3月の消費者物価指数の発表が、ドル円が152円を試すとすれば一つのきっかけになる可能性があることに注目しています。CPIが2月と同様に上振れするようだと、ドル買いに弾みが付く可能性があり、152円台乗せもあり得るかもしれません。また、152円台に乗せれば上昇にも勢いが付くことも予想されますが、その際には当然「実弾介入」に細心の注意が必要になります。財務省のここ最近の発言を考えると、152円台に乗せドル買いに勢いが付いた局面を放置しておくとは考えられません。

 本日のドル円は151円20銭~152円20銭程度を予想します。(執筆者:佐藤正和・外為オンライン 編集担当:サーチナ)(イメージ写真提供:123RF)

・今日のアナリストレポート

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_academy01.htm

・主要経済指標の一覧表 ‐ 今月の主要経済指標の予想数値、結果の一覧

https://info.kabushiki.jp/rd/gaitameonline_calender.htm

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