<新興国eye>トルコ中銀、予想通り金利据え置き―当面、利上げ効果を見守る構え

新興国

2024/4/26 8:43

 トルコ中央銀行は25日の金融政策決定会合で、通貨トルコリラ急落とインフレ急加速を阻止するため、主要政策金利である1週間物レポ金利を高水準にある50%に据え置くことを決めた。市場の大方の予想通りだった。

 中銀はエルカン前総裁の就任後初めて開かれた23年6月会合で、2年3カ月ぶりに利上げに転換。利上げサイクルは24年1月会合まで8会合連続で実施され、金利水準は計36.5ポイント上昇、18-19年のピーク(24%)を大幅に上回り、過去最高を更新したことから、2月会合で金利を据え置いた。しかし、前回3月会合で、予想に反し、5ポイントの大幅利上げを決めていた。

 中銀は会合後に発表した声明文で、金利据え置きを決めたことについて、「前回3月の金融政策決定により、金融は大幅に引き締められた。金融引き締めが信用状況や内需に及ぼす影響を注視する」とした上で、「金融政策の影響が景気とインフレに及んでくるまでのタイムラグ(時間差)を考慮し、金利を据え置いた。引き続きインフレリスクに非常に注意を払う」とし、当面、利上げによるインフレ抑制効果を見守りたい考えを示した。

 今後の金融政策については、「毎月のインフレ率が大幅かつ持続的に低下し、インフレ期待が予測範囲に収束するまで、金融引き締めスタンスが維持される」とし、当分の間、金利を高水準に据え置く方針。ただ、「インフレ率が大幅かつ持続的に悪化することが予想される場合、金融政策スタンスは引き締められる」とし、追加利上げに含みを残した。

 インフレ見通しについては、中銀は、「金融引き締めスタンスにより、24年後半にはディスインフレのプロセス(インフレの低下基調)に入る」と予想している。

 市場では利上げの一時停止(据え置き)は今後、数カ月続く可能性があると予想している。予想される24年後半の利下げ開始についてはインフレ率が5月に前年比70%超上昇でピークに達し、それ以降、伸びが鈍化するかどうかにかかっていると見ている。

 次回の金融政策決定会合は5月23日に開かれる予定。

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 上場MSエマ<1681.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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