<新興国eye>前週の上海総合指数、中国軍の台湾周辺での軍事演習を受け続落=BRICs市況

新興国

2024/5/27 8:58

 前週(20-24日)の中国株式市場は主要指標である上海総合指数は週間ベースで続落。24日は3088.87(17日終値比2.07%安)だった。

 週明け20日は指数が上昇、翌21日は反落した。22日は小反発、23日は急反落した。

 週前半は、前週末に政府が地方自治体による一部の売れ残りマンションの買い取りや住宅ローン規制緩和、未完成住宅の建設促進を柱とする不動産支援策を正式発表したことが引き続き、支援材料となり、買いが優勢となった。また、金価格上昇を受け、金鉱山大手の山東黄金集団と中金黄金が急騰、上げをけん引。その後は、手掛かり材料難となる中、前日上昇していた不動産株などに利食い売りが強まり、売りが優勢となった。

 週後半は、景気支援のために発行された超長期特別国債(期間20-50年、総額1兆元)の取引が上海と深センの証券取引所で始まり、価格が20%超急騰したことが好感され、買いが優勢となった。また、太陽光発電株が業界再編の動きで買われ、上げをけん引。その後は、中国軍が台湾周辺で軍事演習を開始、地政学的リスクが高まったことや、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録が公表され、米早期利下げ観測が後退したことを受け、売りが優勢となった。

 週末24日は続落。台湾をめぐる地政学的リスクや米金利の長期高止まり懸念が広がり、一段と売りが強まった。

 今週(27-31日)の株式市場は中東情勢や台湾情勢、ロシア・ウクライナ戦争(22年2月24日勃発)、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、ハイテク産業を巡る米中関係、世界経済の動向、海外の金融市場の動向、国内では景気対策、不動産危機、人民元相場、石炭や原油などのコモディティー相場も注目される。主な経済指標の発表予定は27日の4月鉱工業利益や31日の5月中国製造業PMI(購買担当者景気指数)と5月中国サービス業PMIなど。

<関連銘柄>

 上証50連動<1309.T>、上場パンダ<1322.T>、上場チャイナ<1548.T>、

 H株ブル<1572.T>、H株ベア<1573.T>、中国A300<1575.T>、

 南方A50<1576.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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