<新興国eye>ミネベアミツミ、カンボジアに新工場―電力は太陽光発電で

新興国

2024/5/31 8:47

 5月10日、ミネベアミツミは、新工場の建設用地を確保するため、カンボジア・プルサット州クラコー地区に、約50ヘクタールの土地賃貸借契約を締結したと発表しました。新工場用地は、プノンペンから約170キロメートル北西に位置しています。新工場は2025年度中に建設を開始し、2027年度中に一部稼働を開始する計画です。新工場では、ベアリングを組み込んだ自動車向け部品や機械向け部品などを製造する見込みです。土地の賃貸費用や工場建設などにかかる総投資額は約320億円と見られます。

 ミネベアミツミでは、2050年カーボンニュートラルの達成を目指しており、ミネベアミツミのカンボジア国内の既存工場、および将来の工場拡張時に必要となる電力の全量を再生可能エネルギーで対応する計画です。カンボジア現地の政府認定電力事業者であるSchneiTec社と協働で、プルサット州クラコー地区で50MW規模の太陽光発電事業を計画中で、2026年1月までに稼働する予定としています。これにより、新工場も含め、カンボジアにおけるミネベアミツミの工場に必要となる電力の全量を、自社で発電した電力による100%再生可能エネルギーにより供給することが可能となるとしています。

 ミネベアミツミは、カンボジア初の精密電子部品メーカーとして2010年に現地法人を設立しました。その後、2011年にはプノンペン経済特区(PPSEZ)内のカンボジア工場で生産を開始し、ベアリングや小型モーター等のミネベアミツミの製品を幅広く手がけ、さまざまな電子部品等の製造を行ってきました。

 同社では、「より良き品を、より早く、より多く、より安く、より賢くつくることで持続可能かつ地球にやさしく豊かな社会の実現に貢献するという経営理念のもと、さらなる再生可能エネルギーの普及拡大と、持続可能な社会の豊かな発展に貢献してまいります」としています。

【筆者:鈴木博】

1959年東京生まれ。東京大学経済学部卒。82年から、政府系金融機関の海外経済協力基金(OECF)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)などで、政府開発援助(円借款)業務に長年携わる。2007年からカンボジア経済財政省・上席顧問エコノミスト。09年カンボジア政府よりサハメトレイ勲章受章。10年よりカンボジア総合研究所CEO/チーフエコノミストとして、カンボジアと日本企業のWin-Winを目指して経済調査、情報提供など行っている。

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提供:ウエルスアドバイザー社

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