米5月コアCPI、前月比0.2%上昇―市場予想下回る

経済

2024/6/13 8:26

<チェックポイント>

●航空運賃が急低下、アパレルや自動車保険も低下に転じる

●ガソリン価格も急低下―食品は上昇に転じる

●市場、9月の利下げ開始を予想

 米労働省が12日に発表した5月CPI(消費者物価指数)は、FRB(米連邦準備制度理事会)が重視しているコア指数(価格変動が激しいエネルギーと食品を除く)が前月比0.2%上昇と、市場予想の平均値や前月の0.3%上昇を下回り、23年10月以来7カ月ぶりの低い伸びとなった。前年比は3.4%上昇と、前月の3.6%上昇や市場予想の3.5%上昇を下回った。

 また、エネルギーと食品を含む全体指数でも、前月比が横ばい(前月0.3%上昇、市場予想0.1%上昇)、前年比が3.3%上昇(前月、市場予想ともに3.4%上昇)となり、前月や市場予想を下回った。

 前月比の主な内訳は、輸送サービスのうち、航空運賃が3.6%の急低下(4月は0.8%低下)となった。このほか、新車が0.5%低下(同0.4%低下)となり、アパレルは0.3%低下(同1.2%上昇)、自動車保険は0.1%低下(同1.8%上昇)と低下に転じた。

 CPIの構成ウエートの約3分の1を占める、家賃やホテル宿泊料などのシェルター価格(家賃・宿泊費)は0.4%上昇と、前月の伸びと変わらなかった。

 エネルギー全体では2.0%低下と、4月の1.1%上昇から大幅に減速。ガソリンが3.6%低下(4月は2.8%上昇)に急減速。電気料金は横ばい(4月は0.1%上昇)、都市ガス料金は0.8%低下(同の2.9%低下)となった。

 一方、食品は0.1%上昇と、前月の横ばいから上昇に転じた。食品のうち、レストランなどで提供された外食価格は0.4%上昇(4月は0.3%上昇)、自宅調理用の食品は横ばい(同0.2%低下)だった。

 前年比では、自動車保険が20.3%上昇となったこともあって輸送サービス全体が10.5%上昇となったが、航空運賃は5.9%低下。また、中古車は9.3%低下だった。シェルター価格は5.4%上昇と、前月の5.5%上昇から鈍化し、22年4月(5.1%上昇)以来の低い伸びとなった。

 エネルギーは3.7%上昇と、4月の2.6%上昇から伸びが加速した。ただ、22年6月の41.6%上昇をピークに鈍化傾向にある。食品は2.1%上昇と、4月の2.2%上昇を下回り、20年3月(1.9%上昇)以来、4年2カ月ぶりの低い伸びとなった。

 市場では2カ月連続で伸びが鈍化したことからインフレ再燃リスクが弱まったとして、FRBの9月会合からの利下げ開始を織り込んだ。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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