<新興国eye>前週のブラジル株、金利据え置き決定や資源株急騰を受け5週ぶり反発=BRICs市況

新興国

2024/6/24 8:58

 前週(17-21日)のブラジル株式市場は21日のボベスパ指数が前日比0.74%高の12万1341.13、週間ベースでは14日終値比1.40%高と、5週ぶりに反発した。

 週明け17日は指数が下落、翌18日は反発した。20日まで3日続伸。

 週前半は、中銀の金融政策決定会合を間近に控え、追加利下げではなく金利が据え置かれるとの思惑が強まり、投資資金が株から国債にシフトしたことや、米国債利回りの上昇を受け、ブラジルなど新興国から投資資金が流出するとの懸念で売りが優勢となった。その後は、国営石油大手ペトロブラスの税務処理問題が解決され、政府に190億レアルの国庫納付金を支払うことで無事に合意したことが好感され、急騰、上げをけん引した。

 週後半は、中銀の金融政策決定会合の結果待ちとなり、金利据え置き、または0.25ポイントの追加利下げかの思惑が広がる中、買いが一段と強まった。ただ、ルラ大統領が講演で、景気刺激のための利下げを要求、インフレ再燃リスクから金利を高水準に維持したいネト中銀総裁を厳しく批判したため、中銀の独立性を巡る懸念が強まった。

 その後は、中銀が金融政策決定会合で金利据え置きを全会一致で決めたことから買い安心感が広がった。また、コモディティ(国際相場商品)相場の上昇を受け、ペトロブラスや鉱山大手ヴァーレが上昇、上げをけん引。

 週末21日は4日続伸。米国債利回りが下落したことから、ブラジルなど新興国への投資資金の還流が強まるとの思惑で買いが一段と広がった。また、サンパウロ州基礎衛生公社(サベスプ)が民営化に向け、株式公開の目論見書の公表を間近に控え、急騰したほか、中銀の金利据え置き決定を受け、金利に敏感な教育関連大手コグナとレンタカー大手ロカリザも上昇、上げをけん引した。

 今週(24-28日)の株式市場は、中東紛争やウクライナ情勢、西側の対ロ制裁などの地政学的リスク、台湾情勢や米中関係の悪化懸念、中国の景気動向、原油・ガスなどの国際商品相場の動向、国内の政治、ルラ政権の経済・財政・税制政策も注目される。

 主な経済指標の発表予定は24日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)6月消費者信頼感指数と5月経常収支、5月対内直接投資額(FDI)、26日の6月中旬時点のIPCA(拡大消費者物価指数)と5月銀行貸出残高、27日のジェトゥリオ・バルガス財団(FGV)6月IGP-MIインフレ指数と5月PPI(生産者物価指数)、28日の5月財政収支など。

<関連銘柄>

 ボベスパ<1325.T>、上場MSエマ<1681.T>、上場EM債<1566.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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