米5月新築住宅販売件数、前月比11.3%減の61.9万件―市場予想下回る

経済

2024/6/27 9:24

<チェックポイント>

●23年11月以来の低水準―高水準の住宅ローン金利が足かせに

●住宅価格の中央値は2カ月連続で下落―値引きや在庫増が影響

●住宅在庫は前月比1.5%増と5カ月連続で増加

 米商務省が26日に発表した5月の新築住宅販売件数(季節調整済み)は、前月比11.3%減の年率換算61万9000件と3カ月ぶりに減少し、市場予想の平均値である63.3万件を大幅に下回った。水準としては23年11月の61.1万件以来の低さとなる。前年比は16.5%減。一方、過去3カ月(2-4月)の販売件数は計9万5000件の上方改定となった。

 市場では、住宅ローン金利が高い水準で推移していることが販売を抑制しているとみている。住宅ローン金利は23年10月の8%から落ち着きをみせたが、24年1月の6.6%から再び上昇し、5月には7%台となっている。

 一方、建築業者が住宅ローン金利の一部を肩代わりしたり、販売価格の値下げを行ったりしており、住宅価格は中央値(季節調整前)で前月比0.1%下落の41万7400ドルと、2カ月連続で下落。前年比も0.9%下落となった。

 住宅価格の下落は在庫の増加も背景にあるようだ。住宅供給(在庫)の過不足感を示す5月時点の新築住宅在庫(季節調整値)は前月比1.5%増の48万1000件と5カ月連続で増加した。販売ペースで計算した新築住宅の在庫水準も9.3カ月相当と、前月の8.1カ月相当を上回り、需要と供給のバランスが取れているとされる6カ月相当を大きく上回った。

 住宅在庫のうち、すぐに販売できる完成件数は前月比7.7%増の9万8000件と14年5カ月ぶりの高水準となった。市場では春の需要を見越し、建築業者が供給を増やしたと見ている。

 完成件数は在庫全体の20.6%と、前月の19.8%を上回ったが、依然、小さく、供給不足感は強い。未着工件数は全体の21.6%(前月は20.2%)、建築中件数は全体の57.8%(同60%)だった。

 新築住宅統計はサンプル数が少ないため、月によって変動が大きく、また、数値の大幅改定を受けやすいこともあり、今回の販売件数も割り引いて見る必要がある。

<関連銘柄>

 NASD投信<1545.T>、NYダウ投信<1546.T>、上場米国<1547.T>、

 SPD500<1557.T>、NYダウ<1679.T>、NYダウブル<2040.T>、

 NYダウベア<2041.T>

提供:ウエルスアドバイザー社

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