<米国株情報>米フェイスブック、7-9月期利益予想上回り株価急伸―欧州では利用者数減少続く

米国株式

2018/11/1 9:56

 世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービスである米フェイスブック<FB>が10月30日発表した第3四半期(7-9月期)決算は純利益が前年比9%増の51億4000万ドル、1株当たり利益(希薄化後)も同11%増の1.76ドルとなり、アナリスト予想の1.46ドルを上回った。

 一方、売上高は同33%増の137億3000万ドルとなったものの、アナリスト予想の137億7000万ドルをやや下回った。売上高の大半を占める広告収入は同33%増の135億4000万ドルとなった。広告増収の背景にはモバイル向け広告収入が占める比率が1年前の約88%から当期は約92%へ拡大し、全世界で1日当たりの利用者数(DAU)が増加したことがある。

 しかし、DAUの増加ペースは予想したほどでなかった。9月末時点のDAUは全世界で前年比9%増の14億9000万人となったが、アナリスト予想の15億1000万人を下回った。また、1カ月当たり利用者数(MAU)も全世界で前年比10%増の22億7000万人となったが、これもアナリスト予想の22億9000万人を下回った。

 これは顧客データ流出スキャンダルが欧州のDAUとMAUに悪影響を与えたためだ。北米のDAUは前期比横ばいの1億8500万人と、1年前の7-9月期から5四半期連続で横ばいが続いており、影響は見られていないが、欧州では前期比0.4%(100万人)減の2億7800万人と、今年1-3月期の2億8200万人をピークに2四半期連続で減少している。

 同社は10月初め、ハッカー攻撃で個人情報が流出し、ユーザーがウェブ上でアプリを使って投稿するために必要なアクセストークンが盗まれるという被害を受けたユーザー数は約3000万人だったことを明らかにしたが、当初、同社は、ハッカー被害は9月14日から始まり、その影響は5000万人と発表していた。EU(欧州連合)加盟国であるアイルランドの個人情報保護当局は9月28日、フェイスブックのユーザー被害を重く見て、欧州でも被害を受けた可能性があるとして、EUが5月に導入した「個人情報保護に関する一般データ保護規則(GDPR)」に基づいて調査を開始したことを明らかにしている。

 この決算結果を受けて、フェイスブックの株価は30日、2.91%高の146.22ドルで引け、その後の時間外取引では米東部時間午後7時59分時点でさらに3.13%高の150.8ドルと一段高となっている。しかし、同社の株価は17年5月以来1年半ぶり安値水準にとどまっており、7月以降、時価総額で2000億ドル超も失われている。

(イメージ写真提供:123RF)

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