<無料公開>新型肺炎、検査分野に関心
タカラBIOは試薬大増産
新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が続く中、検査キットや試薬に関心が向かっている。この日は検査用試薬の大幅増産を明らかにしたタカラバイオ(=タカラBIO、4974)が急騰。簡易検査キットの開発が期待される栄研化学(4549)も底堅く下値を切り上げた。今後は検体検査の自動化システムのエイアンドティー(=A&T、6722・JQ)も浮上しそうだ。
中国政府は7日、新型コロナウイルスによる肺炎の死者数が636人、感染者数が3.1万人に拡大したと発表した。中国における致死率が依然として2%を保ち予断を許さない中、日本でも横浜港のクルーズ船内で同日までに計61人の感染が明らかになっている。
この日の株式市場では、アゼアス(3161・(2))や川本産業(3604・(2))をはじめとする感染対策銘柄が根強く買われ、マスクが手に入りにくい状況も続いている。一方、マーケットの関心はウイルスの検査や、その後の治療に関連するバイオセクターウエートが大きくなりつつあるような印象だ。
まずは、感染を診断する簡易検査キットの開発が急がれる。中国では、不足している検査の試薬をタカラBIOが従来の50倍に増産。「PCR法」と呼ばれ、検体の遺伝子を増幅して感染を確認する検査で使う。
栄研化はより迅速な検査が可能な独自技術「ランプ法」を擁し、SARS(重症急性呼吸器症候群)コロナウイルス向けにもキットを提供している。今回も開発が期待され、株価は強調展開が続く。研究用試薬のカイノス(4556・JQ)やDNAチップ研究所(2397・(2))にも思惑が向かっている。
自動化システムでA&T浮上
A&Tは病院向けに試薬や装置を供給し、臨床検査室全体をカバーする。検体検査のシステムは、「(新型肺炎の治療に当たる)上海の病院にも導入されている」(三坂成隆社長)。カスタム性に優れ既存の設備との連携もしやすく、潜在需要は大きい。株価は6日発表の決算を受け急落したが、この日は持ち直す動きをみせている。関連銘柄の一角として存在感を強めそうだ。
(イメージ画像提供:123RF)
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