アンリツ、4~6月大幅増益――悲観覆す受注増、5G需要の強さ反映
2020/7/30 18:23
アンリツ(6754)が通信規格「5G」の商用化を受け、計測器の需要を着実に取り込んでいる。30日に発表した今3月期第1四半期(4~6月)決算は、連結営業利益が前年同期比90%増の51億円とコンセンサス(30億円台)を上回った。新型コロナウイルス感染拡大もあり、減少が必至とみられていた計測部門の受注高が増加するなど、市場の強い基調を反映した。
●データセンタ高速化も追い風
4~6月は国内やアジアを中心に、5Gの開発案件を順調に獲得した。欧米と比べて新型コロナの状況が改善しているこれらの地域では、感染初期段階にあった前期第4四半期(1~3月)に停滞した投資も再開した。また、テレワークなどリモート対応に伴い繁忙化したデータセンタの容量増設や、処理速度の高速化に絡む需要も膨らんだ。
計測部門の4~6月の受注高は、220億円と前年同期比で12%増えた。市場では150億円前後に低迷するとの悲観的な見方もあったが、アジア市場の経済活動の戻りが想定以上に早かった。好採算の計測部門の伸びにより、同期の営業利益率は19.9%(前年同期は11.6%)に急改善した。
ただ、会社側は先行きについて慎重なスタンスを崩していない。
アンリツの濱田宏一社長は、4~6月について「暗闇にいるようだった」と話す。新型コロナの影響で顧客とのコミュニケーションもままならず、今後のフォーキャスト(予測)も得にくい状況だった。そうした中で受注は拡大したものの、「第2四半期(7~9)も見通せない」。
●株価好反応か、関連銘柄にも波及の公算
一方、7月時点では受注の動向は4~6月から衰えていない様子も示唆する同社。今後は5G対応のスマートフォンの普及がカギを握る。また、データセンタへの投資は今後も旺盛とみられ、高速化の需要も一段と勢いを増す可能性がある。同社は従来の100ギガビットに代わる次世代規格である400ギガビット向けの専用計測器を新たに投入した。
通期業績予想(営業利益175億円、前期比1%増)は据え置いた。上期に新型コロナ感染が収束する前提を持つだけに、先行きの不透明感から増額修正を見送った格好。ただ、4~6月の受注高を受けて株式市場の期待値は高まるとみられる。他の5G関連銘柄にも好影響を及ぼす公算が大きい。
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