OK、Q&Aコミュニティーの展開ビジョンは?――福田社長に聞く

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2021/7/5 14:00

 オウケイウェイヴ(=OK、3808・名セン)はQ&Aサイトを土台に企業・団体向けのサブスクリプション(継続従量課金)サービスを広げていく。財務安定へ向けた収益柱(FAQ事業)の売却から再出発を切った同社。新たに就任した福田道夫社長に今後のビジョンを聞いた。

問題解決ニーズ大きい、企業・自治体の導入広がる

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オウケイウェイヴ・福田社長

 ――ある製品に関して利用者に質問をしたり、問題の解決方法を共有したりするコミュニティーをオンライン上に形成する「OKBIZ.CS」を収益化していく方向だが。

 「基本的な考え方は祖業のQ&Aサイトと変わらない。困っていたり問題を抱える人を、知識を持つ人が質問への回答を通じてサポートするという互助的なシステム。例えばプリンターやパソコンのように、使用をめぐるトラブルや疑問が生じやすい製品のメーカーなどに導入されつつある」

 「従来は企業が自前でサポートセンターを運営していたが、ユーザーからの質問に返答メールを1本対応するごとに平均で1500円のコストが掛かる。OKBIZ.CSの場合、コミュニティーの中にいる誰かがそれを代行してくれる。また、ユーザー同士のやり取りの方がスムーズに問題が解決するケースも多い」

 ――成長の見通しは?

 「現在約20の法人がサービスを利用している。大半は有償(サブスク)で、無償の場合は広告が入る。このコミュニティーのポイントは、企業・団体が多くなるほどサービスそのものの利便性が高まるところだ。参加した企業は別の企業に紹介する動機となる。一方、世の中には質問と回答の共有に適した問題・テーマがいくらでも存在するため、潜在需要は限りなく大きい」

 ――具体的にはどういった問題か。

 「実際に活用されているのが移住をめぐる問題だ。テレワークが一般化したことにより住居を地方に移す人が増え始めたが、それがさらに加速する土壌がある。ただ、生活拠点を変えるのは一大事。そこで地元の住人や移住済みの経験者の助言は貴重になる。既に複数の自治体がコミュニティーに参加している」

「感謝」カードやブロックチェーンも

 ――新たな事業計画によれば、2024年6月期の連結業績は売上高23.2億円、営業利益9.7億円(前21年6月期見込みはそれぞれ22億円、5.5億円の赤字)を目指す。

 「主力だったFAQ事業がなくなるため簡単ではないが、残った経営資源や新規事業にはそれだけのポテンシャルがある。OKBIZ.CSのほかにも、「感謝」の気持ちをサンクスカードにして相手に送れる『GRATICA』は約600社に導入され、人事評価などにも活用されている。また、ブロックチェーン技術が基盤の子会社の『BSP事業』は大学卒業の資格認証や、イスラム圏ならではのハラル認証などに利用用途が広がっている。また、マレーシア政府の進める電子政府かにおける選挙の投票認証などへの提案も進めていく考えだ」

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