<中原圭介の相場観>日経平均はダブルボトム形成、残るリスクは「政治の不安定化」

株式

2021/7/13 15:17

 日経平均株価は先週の金曜日の急落後、1000円を超える幅の戻りをみせた。これでチャート上、5月13日の2万7385円と7月9日の2万7419円でダブルボトムを形成した。

―上値メドはまだ見えず―

 私は今の日経平均はボックストレンドを形成している途上だとみている。ボックス圏の下値は2万7400円前後のラインになるが、上値のラインはいまだ定まっていない。

 日経平均は3月上旬に上昇トレンドが終わった後、2月16日の3万714円、3月18日の3万485円、4月6日の3万208円、5月10日の2万9685円、6月15日の2万9480円と上値を徐々に切り下げている。その意味では、当面は6月15日の2万9480円を上抜けるかどうか、がポイントになる。

 日本株は既に夏枯れ相場に突入し、流動性が低下していく流れにある。海外投資家の日本株離れが止まらない中、ちょっとした売りで急落しやすい地合いは続く見通しだ。

―「菅政権退陣」なら悪材料出尽くしも―

 海外投資家の懸念は、日本の新型コロナウイルスの感染再拡大によって菅政権の支持率が急落するのではないか、ということだ。安倍政権以降の日本株の強みであった「政治の安定」が危ういとみているのだ。

 しかし、国内の感染再拡大が止まらなければ、菅首相は自民党総裁選に出馬せず、新しく教養のあるリーダーが誕生する可能性が高まっていく。その結果、秋の衆議院選挙で与党が敗北するリスクは低下するだろう。

 そういった意味では、「菅政権退陣で悪材料出尽くし」といった展開があるかもしれない。昨年の安倍首相退陣が買いのチャンスになったことをイメージしている投資家も多いのではなかろうか。その時と同じように、海外投資家が買いに転じる可能性は十分にあると思う。(アセットベストパートナーズ 中原圭介)

提供:モーニングスター社

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