ゼネテック、時価総額500億円目標に弾み――上野社長に聞く
2022/2/7 9:00
ゼネテック(4492・JQ)はハードウエアとソフトウエアを融合させるシステム開発に加え、3次元CAD/CAMソフトでは世界トップシェアの「Mastercam(マスターキャム)」輸入代理店を担う。最近では独SAPのERP(基幹システム)の導入コンサルティングを手掛けるバート(埼玉県さいたま市)を子会社化し、事業展開を積極化している。また、災害時位置情報通知アプリ「ココダヨ」の認知度向上や企業ブランド強化のためのテレビCMも開始する。上野憲二社長に今後の取り組みについて聞いた。
「デジタルファクトリー」推進
――事業内容や強みを教えてください
「カーナビゲーションやカーオーディオなどの組み込みシステムの設計開発を基盤に、ソフトとハードを一体開発するデジタルソリューション事業、さらに製造業向けのエンジニアリングソリューション事業を展開している。製造現場での知見を武器に、開発からソリューションまで『一気通貫』で顧客に提案できることが強みだ」
「また、災害時に自動で家族の居場所を通知するアプリ『ココダヨ』にも力を入れている。これは自社で開発した月額課金のサービスで、NTTドコモの『スゴ得コンテンツ』での配信が好調だ」
――推進している「デジタルファクトリー」とは?
「業務最適化を通じて製造業の生産性を向上させて、省エネや脱炭素に貢献する考えだ。日本の製造業の復活と競争力強化には、DX(デジタルトランスフォーメーション)が欠かせない。しかし、ものづくりでデジタル化されている部分はまだ限られる。本当の意味での最適化には、生産の現場から経営管理まで統合したソリューションが求められる」
ERP導入のバート子会社化が大きな一歩に
――バートの買収を決めた背景は
「デジタルファクトリー化に貢献する製品を開発し提供していくためには、ERPに強い企業の確保が必要だった。バートはSAPの導入コンサルティングを得意とし、ゼネテックの持つ顧客基盤とのシナジー(相乗)効果が期待できる。時価総額500億円を目指す中・長期計画『VISION500』の達成へ向けても弾みが付くだろう」
「さらに、ゼネテックの3D(3次元)シミュレーションソフト『FlexSim(フレックスシム)』や日本製の最新鋭AI(人工知能)を組み合わせた『iPerfecta(アイパーフェクタ)』は、基幹システムと連携することで更なる生産性の向上が見込まれる。SAP製品で培ったバートの技術を活用し、SAPと結合した新たなソリューションも開発していきたい」
――ココダヨの成長が期待されます
「実際にアプリを試してもらった消費者へのアンケートでは、ココダヨを利用していきたいという回答が約8割に上った。法人や自治体からの評価も高く、継続率は98%を誇る。ただ、知名度はまだ十分ではない。そこで、企業のPRも含めて、2月下旬からテレビCMを放映する。大きな反響があることを確信している。また、ウェブ広告や交通広告も強化する。世間に知ってもらうことで、人材採用を有利に進める狙いもある」
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