rakumo、SNS型日報アプリのガンバ社買収で事業拡大に弾み

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2022/3/31 8:00

 企業向けにグループウエアサービスを提供するrakumo(4060・M)は30日、社内SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)型日報アプリ「gamba!」を手掛けるガンバ社(神奈川県横浜市)の買収を発表した。rakumoのサービスラインアップの強化とともに、今後のシナジー(相乗)効果が期待される。

 社内SNS型日報アプリ「gamba!」は、日報にSNSの仕組みを取り入れ、PC(パソコン)だけでなく、スマートフォンを通じて手軽に更新できる。また、テンプレートによる簡単な返信も可能であるだけでなく、米グーグル社の製品との連携機能など多種多様な機能が搭載されている。なお、日報特化とSNSの特性から、上司部下間や部門間でのコミュニケーションおよびストック型のコミュニケーションに優れており、ユニークなポジションを確立しているのが特徴だ。

 管理者にとっても、場所を選ばずに従業員の日報を確認できるなどの利便性がある。社内で共有することで、上司や同僚のアドバイスによるフィードバック効果も期待されるほか、コミュニケーションの促進や他部署との連携強化も見込まれる。そのため、業務効率化、自己やチームの成長、コミュニケーション活発化という点が導入企業には期待される。

 「gamba!」は2012年にサービスを開始してから着実にユーザーを増やし、20年にはトライアル登録者数が1.5万社を超えた。また、21年には最も評価されたSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を表彰する「BOXIL・SaaS・AWARD2022」(※)において、「BOXILランキング部門コラボレーション部門賞」を受賞した。

 約400社の豊富な顧客を抱えるガンバ社を傘下に収めることで、rakumoは事業領域の拡大に弾みを付けたい考え。また、ガンバ社の顧客にもrakumo製品を販売することで、両社のサービスを連携したセットでの提案も視野に入れる。

 rakumoは米IT大手のグーグル社とセールスフォース・ドットコム<CRM>社のプラットフォームを活用したサービスが主力だが、ガンバ社の買収によりプラットフォームに依存しない事業展開も加速する。ガンバ株の取得価額は9000万円が見込まれ、手元資金で賄う。今12月期第2四半期末から連結子会社化、第3四半期(7~9月)から連結業績へ取り込む方向だ。ガンバ社は堅調にユーザー数を伸ばしており、前10月期に営業黒字に浮上したことで利益創出フェーズに転換しており、今後の利益貢献が期待される。

※BOXIL・SaaS・AWARD…SaaS比較サイト「BOXIL・SaaS」に掲載されている約3000社のサービスを対象に、特に優れたサービスを表彰するイベント

(写真:123RF)

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