サーキュレーション・久保田雅俊社長インタビュー:プロ人材の活用広がる、地方創生もビジネスチャンスに

株式

2022/7/29 9:26

 サーキュレーション<7379.T>は、高い専門性を持つプロ人材の経験・知見を複数の企業で活用する「プロシェアリング」事業を展開する。登録プロ人材は2022年4月末時点で1万9350人(前2021年7月期末比8.6%増)と日本最大規模を誇る。IT人材のシェアリングサービス「FLEXY」や、外部人材を一元管理するSaaS「PROBASE」なども強化中。同社の現状と今後の展望について久保田雅俊社長に聞いた。

―日本でもプロ人材を活用する動きが広がっている。

「世界では米国を中心にプロ人材がビジネスの主役になりつつある。日本でも働き方が大きく変わり、企業は従来の終身雇用主義から、兼業やフリーランスを積極活用する段階に入り始めている。現在は1人が一生で3回転職する時代になったが、ここから近い将来、1人が3社で同時に働くのが当たり前になるだろう。また、副業が担う領域もどんどん高度化している」

「法人企業側の意識もコロナ禍も相まって大きく変わってきた。少子高齢化が進む日本では特に、生産性の高い職場に変えていく必要がある。そのための人材を社内だけで採用・育成していくだけではなく、専門性の高い外部人材の経験・知見を活用し課題解決していくケースが増えるだろう。つまり、プロ人材を企業がシェアする時代が到来するというわけだ」

―幅広い経験・知見のプロ人材が約2万名登録し、先進的な知見も保有する。

「NFT(非代替性トークン)、Web3、ESGといった先進的な知見を保有するプロ人材やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進できるプロ人材、人事や広報、新規事業立ち上げ、IPO(新規株式上場)支援など、幅広い分野で高い専門性を持つプロ人材を網羅している。同じ組織内でも、フェーズ毎に企業の経営課題解決に必要な人材要件はどんどん変わっていく。約2万名の中から、そのフェーズで最適なプロ人材をご提案することができるため、経営パートナーとして長く伴走できることが当社の強みだ」

「企業が継続的にプロ人材を活用する傾向が強くなり、プロジェクトの月次継続稼働率は227月期第3四半期(2-4月)に97.9%(前年同期比1.4ポイント上昇)まで向上した。大企業の顧客も増えており、1企業で複数のプロジェクトを創出し、同時に複数のプロ人材が稼働することも少なくない」

―日本社会の課題の1つである地方創生にもビジネスチャンスを見出す。

「全国で提携する地銀の行数は第3四半期末時点で50行に達した。金融機関からの紹介案件も545件(22年7月期第3四半期実績)と順調に推移。地方創生を本質的に実行するために、プロシェアリングを活用し、雇用に囚われない人材活用を進めていく必要があると考えている。特に地方で需要が増加している案件はオンラインでの販路拡大や新規事業立ち上げだ。また行政との連携も増えており、仙台市とは今年で4回目となる『中小企業の経営改善支援』事業を受託したほか、福岡市の『外部人材によるIPO支援プログラム』や、富山県の『伝統工芸ミライ創造』事業も受託し開始している」

「また、プロ人材によるウェビナー(オンラインセミナー)も成長ドライバーの1つだ。『その道のプロ』である第一線で活躍するプロ人材を講師として招き、ここでしか聞けないプロの経験・知見をトークセッション形式で配信している。2022年7月には累計視聴者数が2万人を突破している」

提供:モーニングスター社

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