日経平均は762円安と3日ぶり大幅反落、3週ぶり2万8000円割れ、売り一巡後の戻り鈍い=29日後場

 29日後場の日経平均株価は前週末比762円42銭安の2万7878円96銭と3営業日ぶりに大幅反落。心理的なフシ目となる2万8000円を割り込んだのは10日(終値2万7819円33銭)以来約3週間ぶり。

 朝方は、リスク回避の売りが先行した。パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が講演で、金融引き締めを継続する姿勢を強調し、前週末の米国株式が急落した流れを受け、投資家心理が悪化した。時間外取引での米株価指数先物の下げも重しとなり、日経平均は下げ幅を拡大し、前場中盤には2万7788円12銭(前週末比853円26銭安)まで下落した。一巡後は下げ渋ったが、戻りは鈍く、大引けにかけてさえない展開となった。なお、東証プライム銘柄の89%が下落した。

 東証プライムの出来高は10億7366万株、売買代金は2兆5949億円。騰落銘柄数は値上がり174銘柄、値下がり1635銘柄、変わらず28銘柄。

 市場からは「米経済指標にらみで一喜一憂の場面もあろうが、基本的に9月のFOMC(米連邦公開市場委員会、20-21日開催)までは一進一退の展開か。ただ、日経平均2万8000円割れの水準は押し目買いが入りやすい」(準大手証券)との声が聞かれた。

 業種別では、テルモ<4543.T>、オリンパス<7733.T>、HOYA<7741.T>などの精密株が下落。ダイキン<6367.T>、クボタ<6326.T>、コマツ<6301.T>などの機械株も安い。エムスリー<2413.T>、リクルートHD<6098.T>、楽天グループ<4755.T>などのサービス株や、東エレク<8035.T>、ファナック<6954.T>、アドバンテスト<6857.T>などの電機株も売られた。SUMCO<3436.T>、LIXIL<5938.T>などの金属製品株も軟調。

 半面、INPEX<1605.T>、石油資源<1662.T>などの鉱業株や、コスモエネH<5021.T>、出光興産<5019.T>、ENEOS<5020.T>などの石油石炭製品株が引き締まった。

 個別では、プロネクサス<7893.T>、ファーマF<2929.T>、カーバイド<4064.T>、ニチモウ<8091.T>などの下げが目立った。半面、クロスキャット<2307.T>、日産東HD<8291.T>、FIG<4392.T>、ファイズHD<9325.T>などの上げが目立った。なお、東証業種別株価指数は全33業種中、31業種が下落した。

(写真:123RF)

提供:モーニングスター社

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