<新興国eye>前週のインド株、原油安や景気回復期待感を受け反発=BRICs市況

新興国

2022/9/12 9:19

 前週(5-9日)のインド株式市場で、代表的株価指数SENSEX指数の9日終値は前日比0.18%高の5万9793.14、週間ベースでは2日終値比1.68%高と、反発した。

 週明け5日は指数が続伸。翌6日は反落し、7日まで続落した。8日は急反発。

 週前半は、海外株安となったものの、8月のインドの鉄道輸送量が前年比7.9%増と、好調となったことを受け、景気回復期待感が強まり、買いが優勢となった。消費拡大の思惑で小売り関連セクターが物色された。通貨ルピー高も支援材料となり、金属や銀行、資本財関連の銘柄が上げ足を強めた。その後は、ロシア産天然ガスの輸送停止による欧州のエネルギー危機や、中国のコロナ感染再拡大による規制強化が懸念され、売りが広がった。

 週後半は、経済予測機関が22年度のインドの経常赤字を対GDP比3.5%に引き上げたことが嫌気されたほか、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ継続観測が強まり、米長期金利が上昇したことを受け、インド市場からの投資資金流出懸念が強まり、売りが優勢となった。金利に敏感な銀行株やリセッション(景気失速)懸念で自動車株も売られた。その後は、海外株高を受け、インド市場でも買いが優勢となった。原油価格の下落も支援材料となった。原油輸入依存度が高いインド経済にとって、輸入額を減らし、インフレ抑制に寄与することが背景。

 週末9日は続伸。原油安が引き続き支援材料。また、中印国境から両国の軍隊が撤退しているとの報道を好感し、買いが一段と強まった。ソフト大手タタ・コンサルタンシー・サービシズなどITセクターが買われ、上げを主導した。

 今週(12-16日)のインド市場はウクライナ戦争と西側の対ロ制裁、原油価格の動向、世界経済、特に米・中・欧の景気動向や金融政策、米中関係、インド国内の景気動向、主要企業ニュースも注目される。主な経済指標の発表予定は12日の7月鉱工業生産と8月CPI(消費者物価指数)、14日の8月WPI(卸売物価指数)など。

<関連銘柄>

 インドNIF<1678.T>、インドブル<2046.T>、インドベア<2047.T>

提供:モーニングスター社

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